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イラク地方選、マリキ首相派が優勢 治安改善、追い風(1/2ページ)

2009年2月5日21時58分

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 【カイロ=田井中雅人】イラク地方選挙は開票作業が進み、治安改善を追い風にしたイスラム教シーア派、マリキ首相派の優勢が伝えられている。前回は大半がボイコットした少数派スンニ派も今回は参加、当選者が相次ぐ見通しだ。大きな混乱もなく民主選挙を終えたことで、新生イラクは国民の融和と安定に向け一歩前進したことになる。

 バグダッドからの報道によると、マリキ首相が出身母体のシーア派政党ダワ党を中心として立ち上げた新会派「法治国家連合」が、最重要州とされるバグダッド州や南部バスラ州で第1位の支持を集める勢いだ。

 一方、これまで中央レベルでマリキ首相派とシーア派与党会派を組んできたものの、今回の選挙ではたもとを分かった最大与党イラク・イスラム最高評議会(SIIC)は、首相派に食われる形で大きく後退する見込み。幹部アンマル・ハキーム師は4日、「南部バスラ州で首相派が得票率50%を超えそうだ。バグダッド州でも第1党になる」との見通しをロイター通信に示し、事実上の「敗北宣言」をした。

 選挙は1月31日に投票。全土18州のうち、北部クルド地域3州と帰属問題を抱えるキルクーク州を除く14州の地方評議会で実施。女性約4千人を含む約1万4千人が計440議席を争った。登録有権者は約1500万人で、投票率は約51%だった。

 マリキ氏は昨年春から南部バスラや首都バグダッドなどで武装勢力に対する掃討作戦を展開、治安改善に一定の成果をあげたことが、国民から評価された。現在約14万人が駐留する米軍についても、米国との協定締結で11年末までの完全撤退に道筋をつけたことも支持の背景にある。

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