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救急搬送拒否:昨年“11回以上”267件 阪神地区でも急増 /兵庫

 ◇背景に深刻な医師不足

 伊丹市で今年1月20日、交通事故に遭った男性(69)が、県内外の14病院に受け入れを断られ、約3時間後に死亡した問題で、阪神地区でここ数年、救急搬送を断られるケースが急増していることが分かった。7市1町で昨年1年間、医療機関に11回以上断られたケースは267件で、07年の199件から急増。救急医療態勢が危機にひんしているのは伊丹市だけではなく、背景には深刻な医師不足があるようだ。【池内敬芳、津久井達、生野由佳】

 尼崎市では11回以上断られたケースが04年に3件だったが、昨年は134件に上った。西宮市は同様に、4件から76件へと急増した。尼崎市消防局は「現場は時間との闘いだが、病院の医師不足は深刻で、運びたいのに運べないジレンマが常にある」という。

 受け入れ先探しが難航する原因について県医務課は「勤務医不足が大きい」と分析するが「不足を一度に解決する方法はない。各地区の医療機関で連携を高めて、対応してもらうしかない」としている。県は今年4月から、患者の情報を救急指定の医療機関に一斉に流し、受け入れ先を振り分ける新システムを導入する予定というが、医師不足の問題は依然として残る。

 今回、伊丹市消防局は14病院に計16回、電話した。病院の反応で一番多かったのは、けがの程度を聞いた医師が「うちの病院では対応できない」と断ったケースで6件だった。そのほかは、▽「ベッド満床」4件▽「専門外」3件▽「医師不在」1件▽「別に重篤患者あり」1件--などだった。

 同消防局は従来から、受け入れ交渉に30分以上かかった際は通信指令室も病院を探すことにしていたが、今後は受け入れ先決定が難航したらすぐに指令室が協力する仕組みに改善するという。

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 ◇救急受け入れを11回以上断られた件数◇

     04年 05年 06年 07年 08年

尼崎市    3  23  48 110 134

西宮市    4  10  13  51  76

芦屋市    -   -   -   -   3

宝塚市    -   -   -  16  32

伊丹市    0   2   8  16  18

川西市    -   3   2   6   2

三田市    -   -   -   -   2

猪名川町   -   -   -   0   0

 ※-は詳細記録なし

〔阪神版〕

毎日新聞 2009年2月5日 地方版

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