県警はこのほど、昨年の県内での「振り込め詐欺」事件の認知件数が前年比95件減の312件、被害総額は約4億5120万円で約2億4350万円減少したと発表した。
統計をとり始めた04年以来、過去最低の数字になった。県警によると、ATM(現金自動預払機)付近で銀行員や警備員が積極的に声をかけたり、広報・啓発活動で防犯意識が高まったことが奏功したという。
統計によると、事件の態様別の認知件数は、「オレオレ詐欺」66件(前年比83件減)=被害額1億2140万円(同約2億2780万円減)▽「架空請求詐欺」68件(同18件減)=同1億4770万円(同約1890万円減)▽「融資保証金詐欺」101件(同29件減)=5900万円(同約5870万円減)▽「還付金詐欺」77件(同35件増)=1億2310万円(同約6190万円増)。
被害者の7割が60歳以上の高齢者で、高齢者が狙われやすい傾向が判明したほか、郵便局のエクスパックや宅配便を悪用して現金を郵送させたり、警察官など公職者を名乗り、キャッシュカードをだまし取るなど新たな手口も発生している。
県警は「不審な電話があったら、自分で判断せず、周囲に相談してほしい」としている。【坂根真理】
毎日新聞 2009年2月3日 地方版