【ニューデリー栗田慎一】スリランカに駐在する国連報道官は4日、政府軍と少数派タミル人武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)との戦闘が続く同国東部にある病院が3日までにクラスター爆弾などによる攻撃を受け、入院患者ら52人が死亡、80人が負傷したと明らかにした。
25年以上続く同国内戦でクラスター爆弾の使用が明確になったのは初めて。クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)が昨年末締結されたばかりで、その直後の使用に国際的な非難が高まりそうだ。
報道官が地元メディアなどに語ったところによると、攻撃を受けたのは同国東部ムライティブ郊外のプトゥクティルパ地区にある市民病院。クラスター爆弾は数日間にわたって計5回着弾したという。
国連報道官は、攻撃が政府軍によるものかLTTEによるものか不明としている。非政府組織「クラスター爆弾連合」によると、スリランカ政府軍はクラスター爆弾を保有しているが、政府軍報道官は英BBCテレビに対し同爆弾の使用を否定した。
毎日新聞 2009年2月4日 20時37分