(CNN) スリランカ北部、東部で同国軍が進める少数派タミル人の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」の掃討作戦に関連し、国際赤十字は3日、戦闘などに巻き込まれた負傷者を収容する病院に2日夕、砲弾が命中し、3人が死亡、10人が負傷したと述べた。
北東部ムライティブ県にある病院で、砲弾が着弾したのはここ2日間で4度目としている。1日の攻撃では小児科病棟にも命中し、子供を含む11人が死亡した。病院に一連の砲弾を撃ち込んだのが政府軍かLTTEかは不明。
LTTEと政府との停戦合意は昨年1月に破棄され、政府はLTTE根絶の強硬路線に転換。今年に入り軍は攻勢を強め、LTTEの政治拠点がある北部のキリノッチ町やムライティブ県を次々と攻略し、劣勢を強いられたLTTEは同県近くの密林に逃亡したともされている。
ただ、この際に政府軍の攻勢をかわす「人間の盾」にするため住民約25万人を強制連行したとされ、戦闘に伴う子供、女性ら一般住民の死傷者が絶えない。国際人権団体やラジャパクサ同国大統領は住民らの即時解放を求めている。国連児童基金(UNICEF)当局者は、人道支援が制限を受け、医薬品不足に悩む病院は「悪夢のような状況」が続いていると強調、政府に協力を求めている。
LTTEは1983年ごろから武装闘争を加速した。戦闘での犠牲者はこれまで6万5000人以上とされる。