イスラマバード(CNN) アフガニスタンと国境を接するパキスタン北西部の政府直轄部族地域で3日早朝、アフガンへ通じ、同国の国際治安支援部隊(ISAF)への主要な補給路にある橋が爆破された。アフガンの政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーンの犯行とみられる。
現場はカイバル峠で、同地域行政当局者によると、橋の大部分が破壊された。人的被害は報告されていない。輸送作業が不可能となっており、臨時の補給路の設定作業が始まっている。橋は、北西辺境州のペシャワルからアフガンへ向かう場合、必ず通る陸路上にある。
アフガン駐留外国軍への補給物資はパキスタンのカラチ港などからへの輸送に大きく頼っている。ただ、この陸路では過去数カ月間、タリバーンによる補給車列を狙った襲撃が多発、パキスタン軍が掃討作戦を実施していた。この間、米軍などは補給物資の搬送を空路で実施している。
補給車列の攻撃はこれまで少なくとも5回発生。昨年11月にはトラック積載の米軍の兵員装甲車両2台が強奪されてもいる。12月初旬には、パキスタン北西辺境州のペシャワルにある荷物集積場がタリバーンに襲われ、物資を積んだNATOの車両が破壊もされている。カイバル峠周辺ではタリバーンによる女子学校襲撃もあった。
米軍やISAFを主導する北大西洋条約機構(NATO)はカイバル峠経由のルートの治安悪化を受け、アゼルバイジャン、トルクメニスタンやウズベキスタンを通じた補給路線の確立も検討している。