(CNN) 中央アジアのキルギス共和国のバキエフ大統領は3日、米軍がアフガニスタン作戦拠点として使用してきたマナス空軍基地の閉鎖を計画していると語った。ロシア通信が伝えた。
バキエフ大統領は訪問先のモスクワで開いた記者会見で、マナス基地閉鎖手続きを開始する意向を表明した。報道によると、ロシアはキルギスに40年間で3億ドル(約270億円)の大型援助を供与し、1億8000万ドル(約160億円)の債務を放棄する計画とされる。
米国防総省のモレル報道官は、マナス基地が「著しく重要な空軍基地」だとコメント。キルギス政府のこれまでの協力に感謝を表明したうえで、基地使用を継続したい考えを明らかにした。
アフガニスタンでの軍事作戦を統轄する米中央軍のペトレイアス司令官は先月、マナス基地の使用継続許可を求めてキルギスを訪問した。同司令官は基地閉鎖の可能性について、キルギス指導者と「一切」協議しなかったと発言。現地当局者らが、この件に関する報道は「事実無根」だと語ったと述べた。
キルギスは中央アジアで2番目の最貧国。米国はマナス基地の使用料として年間6300万円(約56億4400万円)を支払い、320人余りのキルギス人を雇用している。一方、カント空軍基地にはロシア軍が駐留している。
米国はアフガニスタンでイスラム強硬派タリバーンが再び攻勢を強めている事態を受け、3万人規模の米軍増派を検討中。ペトレイアス司令官は、増派部隊展開の際に、マナス基地が軍用機の給油拠点として重要な役割を果たすとの認識を示した。