日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 10R
小堀 佑介(角海老宝石)  ○[判定]×  松崎 博保(協栄)

 「小堀の圧勝」とみる向きが多いなか、挑戦者の松崎が予想以上の健闘をみせて会場を湧かせた。

 試合はミドルレンジでのやりとりで始まった。丹念に左を突いて間合いを計る松崎に対し、小堀は上下にパンチを散らして攻撃の突破口を開こうとする。2回には小堀が右クロスをショートとロングで使い分けて相手を脅かしたり、さらに左をボディから小さくアッパーで切り返すなど、小技もふんだんに交えて成長の跡を示した。

 これに対して松崎は臆することなく立ち向かい、基本どおりのワンツーで切り込んだり、ときにはいきなり右ストレートを繰り出したりと、こちらも工夫を凝らした攻撃で一歩も引かない。5回に入ると斜め上方から振り下ろすような左フックも交え、チャンピオンを追い立てる場面も。

 終盤に入っても一進一退の見応えのある攻防が続いたが、パワーで勝る小堀が見栄えの点でまさった。松崎は守勢にまわった際に大きくバランスを崩すことがあり、それがジャッジにマイナスのイメージを植えつけた感がある。

 ともに持ち味を存分に発揮した好勝負だった。採点は97対96、96対95、98対93の3−0。中身の濃い試合だった。