自転車運転中の携帯電話使用などを禁止する改正県道路交通規則が1日、施行された。ヘッドホンで音楽を聴きながらの自転車走行なども含め、悪質な違反者には5万円以下の罰金が科せられる。県警は2日朝、県内48カ所でチラシ配布などの一斉広報キャンペーンを行った。【鈴木一也】
従来は、交通の頻繁な道路での自転車の傘さし運転のみが規制対象だったが、今回の改正で、通行量などにかかわらず、傘さし運転は原則禁止に。このほか、自転車運転に際しては、携帯電話の通話や操作▽荷物を持ったりハンドルに掛ける--などの行為が禁止対象となった。また、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聴きながら自動車やバイク、自転車を運転する▽自動車内でカーステレオを大音量で聴く--行為も新たに禁止された。
改正の背景には、自転車利用者のマナー低下がある。携帯電話の使用は前方不注意や車体の不安定化を招き、ヘッドホンの使用も周囲の音が聞こえなくなるなどの弊害を生む。
これらの危険な運転行為が歩行者とのトラブルや交通事故の原因となっているとして、昨年6月に警察庁が交通マナーなどを定めた「交通の方法に関する教則」を改正し、自転車運転中の携帯電話使用を禁止。全国の多数の都道府県警が同様の規則改正に乗り出しており、県内でも昨年12月に改正規則が公布されていた。
警察官の指導に従わないなど悪質な違反者に罰金を科す。2日は、通勤・通学時間帯の午前7時半から約1時間、県警職員約500人を動員し、宮城県工高前(仙台市青葉区)などでチラシを配って広報活動を実施した。県警交通企画課は「マナー違反は重大な事故を誘発する恐れもあるので、ルールを守ってほしい」と呼び掛けている。
毎日新聞 2009年2月3日 地方版