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貴方の傍に…(シャナクロス)完結
日時: 2008/02/16 21:04
名前: 初心者
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=2056

こんにちは初心者です!

次の長編を書く前に中編のようなものを書きたいと思い、今回の作品を書きました。

今回はシャナクロスでCPはハヤテ×シャナのキャラです!

正直シャナの原作はほとんど見たことがないので変なところが沢山あると思いますがよろしくお願いします。(御指摘もお待ちしています)

時間軸はシャナ達がヘカテーを倒したところからで、最初の視点はヘカテーです。

ではどうぞ…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


プロローグ〜私の願い〜


 自分の身体が…意識が…存在が消えて行くのを感じる…

 当然ですか…私はミステス達に敗れたのですから…

 私が一番求めていたのは何だったんでしょうか…?

 私は一番…感情が欲しかった…もっとハッキリとした感情が…

 どうして…?

 私はどうして…感情が欲しかったの…?

 …彼に…

 彼に…出会ったから…?

 あの時、彼に出会ってから…彼と話してから…彼と一緒にいてから…

 …私は感情が欲しくなった…

 彼と一緒に幸せを感じるために…感情が欲しかった

 もう一度…

 もう一度…彼に会いたい…!

 私がそう強く願うと力が分からず、ただ持っていた宝具が光り…私の身体を包んだ…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.2 )
日時: 2008/02/16 21:44
名前: †破滅の雷光†

初めまして†破滅の雷光†です

前作あなたとの思い出の完結おめでとうございます

シャナクロスですか・・・僕はシャナが好きなので楽しみにしてます

まさかとは思いますけどハヤテ×ヘカテーorシャナですか?

悠二×ヒナギクですか

ヘカテーが好きなので楽しみです

がんばってください
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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.3 )
日時: 2008/02/17 00:35
名前: 初心者


どうも初心者です!

今回はレス返しをします

アキラさん、†破滅の雷光†さん…コメント本当にありがとうございます!! かなり久しぶりのコメントだったので本当に嬉しいです…!

アキラさん…そう言ってもらえると本当に嬉しいです! 「君のために出来るたった一つの冴えたこと」…僕も楽しく読ませてもらっています! 感想を書き込めないことが本当に残念です…感想は送れませんが応援しているのでこれからも頑張ってください!

†破滅の雷光†さん…期待に答えられるか分かりませんが、出来る限り頑張りたいと思います! CPはすぐに分かると思います!

今日はもう遅いので本編は明日更新したいと思います。

ではさようなら!
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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.4 )
日時: 2008/02/17 15:21
名前: 初心者

第1話〜出会い〜


 …数年前…

 私は知識を増やすために地上を歩いていた

 その時、私はフレイムヘルズに見つからないように人間と同じぐらいまで力を抑えていた

 街を歩いていると、派手な格好をしている男達がまとわりついてきて…

「君、可愛いね。俺たちと遊ばない?」

 笑いながら私の腕を掴み、何処かへ連れて行こうとした…その笑いも見ているだけで私は不快だった…

「触れないで下さい…汚らわしい…」

 そう言って私が男達の手を払い除けると、男達は…

「何だと!? 嘗めてんのか、コラァ!!」

 怒鳴り散らしてきた…周りの人間達は此方を見ても直ぐに目を逸らして、見て見ぬフリをしている…これが人間か…

「無視してんじゃねぇよ!!」

 そう言うと怒鳴り散らしていた男がいきなり殴りかかってきた…まずい、今の私では避けれない…かといって力をこんな所で解放するわけにはいかない…

 そう考えているうちに男の拳はそこまで向かって来ていた…今の私は目を瞑り、身体を縮こませるしか術は無かった…

 来るであろう衝撃と痛みに備えていると…

「なっ!?」

 来たのは、優しく触れられる感触と男の驚いた声だった…

 不思議に思い、目を開けてみると其処には…

「大丈夫ですか…?」

 私と同じ蒼い髪をした少年が微笑んでいた…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.5 )
日時: 2008/02/17 19:54
名前: 初心者


 不思議に思い、目を開けてみると其処には…

「大丈夫ですか…?」

 私と同じ蒼い髪をした少年が微笑んでいた…


第2話〜初めての温もり〜


 少年は左手で私を抱き寄せながら右手で自分より1回り大きい男の拳を抑えていた

「なっ何だテメェ!?」

 男は脅すように怒鳴っているが、その声には驚きと若干の恐怖が混じっている

「それは此方の台詞ですよ…自分より幼く弱い少女に殴りかかって…恥ずかしくないんですか…?」

 …幼く弱いというのは否定したいのですが…

「…っ…調子に乗ってんじゃねぇ! ガキが!!」

 そう言うと男達はさらに大勢で殴りかかってきた…子供二人に恥ずかしくないんでしょうか…?

「…っ…黙ってろ!!」

 どうやら声に出ていたみたいです…男達は顔をさらに赤く染めて、少年も苦笑していますね…

「すみませんが…少し寝ていて下さい…」

 少年はそう言うと男達を睨んだ。それによって男達が一瞬怯むとその一瞬のうちに男の懐に入り込み、鳩尾にボディーブローを食らわし…

 倒れ込む男を横目に男達がおどろいているうちにもう一人蹴り飛ばすと、横から殴りこんで来た男の腕を掴んでそのまま投げ飛ばして後ろにいた男にぶつけて倒した…

「よしっ…」

 私は正直、目の前の光景が信じられませんでした…当然です…

 他の人間は見て見ぬフリをしていたのに、一人の少年が守ってくれた…今まで私は守ってもらうということが無かった…

 さらに少年は、自分より1回りも大きい男達四人を倒した…しかも一瞬で…

「行こうか?」

「あっ…」

 少年はそう言い微笑むと、呆然としている私の手を握って走った…

 …温かい…

 私はその時…

 彼の手を不快だとは思いませんでした…むしろーーー

 …私は初めて知った温もりというものを…

 …ただ…ただ感じていました…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.6 )
日時: 2008/02/18 18:41
名前: 初心者

第3話〜安らぎ〜


 私達は負け犬公園という所に着くとベンチで休むことにしました…この公園の名前を付けた人間を見てみたいものです…

「飲み物買って来ますね、何がいいですか?」

「…そこまで迷惑をかけるわけには…」

 どうして彼はこんなにも優しいんでしょうか…?

「いいんですよ…どうせ家に持って帰っても無駄に使われるだけですから…」

「えっ…?」

 一瞬…彼の顔から笑顔が消え、悲しみに包まれた顔になった…

「あっ…すみません…気にしないでいいですよ、何がいいですか?」

「じゃあ…ミルクティーを御願いします…」

 それを誤魔化すように彼は直ぐに笑顔に戻して聞いてきた…私は何故か追求出来ませんでした…

「分かりました…少し待ってて下さい」

「あっ…」

 そう言うと彼は私の手を離して走っていってしまった…何故だかそれが悲しかった…悲しいという感情は感じたことが無いので分かりませんが…悲しい…そう表すのが一番正しいような気がします…

 …何故…?

 …あの男達の笑いは見ているだけで不快だったのに…彼の笑顔は見ていると、安心出来る…そう表すのが一番正しいのでしょうか…? そんな気持ちになります…

 …何故…?

 あの男達に触れられた時は汚らわしいと感じたのに…彼に触れられた時は彼の温もりに包まれたように感じて…やはり安心しました…

 …何故…?

 理由は分かりませんが、彼の傍にいると心が安らぐようです…これが安らぐという表現で合っているのかは分かりませんが…心地よいことは間違いありません…

 …もう少し…彼の傍で…この安らぎを…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.7 )
日時: 2008/02/18 22:55
名前: 初心者


第4話〜深まる謎〜


「はい、どうぞ♪」

 それから2、3分すると彼は戻って来てくれた。とても長く感じました…何故でしょうか…?

「…ありがとうございます…」

 私は彼が買ってきてくれたミルクティーを受け取った…すると彼は私の隣に座りながら…

「久しぶりに水以外を飲めるなぁ…」

 そう呟いていました…私は彼の哀愁の雰囲気に押され、理由を聞けませんでした…謎が1つ増えましたね…

「……」

 しかし…彼の隣にいるだけでやはり安心します…

 彼から貰ったミルクティーを両手で覆うようにして温かさを感じながら飲んでいると…

「…!!」

 見つけたくなかった物を見つけてしまいました…

 彼の胸の辺りをよく見てみると…灯火が見えました…つまり彼は…

 …トーチ…

 …つまり…

 …すでに死んでいて…

 …消えゆく運命…

「……」

 それを知ったとき私は…確かに胸の辺りに痛みを感じました…何故だか分かりませんが…確かに感じました…とても強い痛みを…

 …彼の命は残りどれぐらいなのでしょうか…

 そう思い調べてみると…

 ……………

「…!?」

 胸の痛みは驚きに変わりました…本当に彼は何者なのでしょうか…?

 彼の存在の力は…紅世の王並みにありました…

 何故、私は気付かなかったのでしょうか?

 何故、今まで他の徒が彼を狙わなかったのでしょうか?

 そういえば彼は…気配がほとんどありません…先程助けてもらったときも目を開けるまで彼に気が付きませんでした…

 まぁそれは兎も角…これ程の存在の力を持っているのなら、彼は常人の数倍は生きられるでしょう…

「あっ、飲み終わりましたか?」

「え、あっはい…」

 そう考えていると彼が突然そう言ってきました…彼の近くにいると安らぎますが、驚きも多いですね…

「じゃあ捨ててきますね」

 彼はそう言うと私から空き缶を受け取り、走っていきました…すると…

 ーキキィィ…ドンッ!

 激しい音と共に彼が吹き飛んでいくのが見えました…

「……」

 私が驚きのあまり立ち上がると…彼は何事も無かったように立ち上がり、呆然としている私に対して笑顔で親指を立てるとそのままゴミ箱に走っていきました…

 さらに彼は派手に転び、偶然飛んできた野球ボールが後頭部にぶつかりましたが、直ぐに立ち上がり再び走っていきました…

 どうやら彼の膨大な量の存在の力は凄い勢いで減少しているみたいですね…

 謎だけが増えました…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.8 )
日時: 2008/02/19 21:42
名前: 初心者

第5話〜もう少しだけ〜


 私が色々と模索していると彼が戻ってきました

「…そろそろさっきの方達もいなくなりましたかね?」

「…? はい、多分…」

 彼は公園の時計を見て時間を気にしている…どうしたのでしょうか?

「えっと…じゃあそろそろ…」

「えっ…?」

 彼は何が言いたいのでしょうか?

「気をつけて帰ってくださいね? 僕も久しぶりに休めました。」

 …!! そうでした…彼はただあの男達から私を守ってくれただけ…

 …安全が確認出来たらもう…

 …別れ…

「ではさようなら! 縁があったらまた何処かで会いましょう♪」

 ………

「…?」

 気付いたら私は彼の服の端の部分を掴んでいました…

 何故こんなことをしてしまったのでしょうか? それに身体中がとても熱いです…何故か彼の顔を見ることが出来ません…何故でしょうか…?

 …何故…?

 もう男達はいないのですから彼と別れるのは当然です…それに彼にも用事があるのですから…

「……」

 それなのに…それが分かっているのに…私はこの手を離す気にはなれません…

 私が出来たのはこの手を離さない事と目が合わないように俯くことだけでした…

「……」

 彼はきっと困っているでしょう…もしかしたら呆れ、怒っているかもしれません…

「……」

 彼の身体に力が入るのを感じました…彼は今すぐにでも私の手を振り払い行ってしまうでしょう…もしかしたら罵られるかもしれません…

 私がそう思い、これからされるであろう事を覚悟すると…

「…クスッ…」

 聞こえてきたのは罵る声ではなく、小さな笑いでした…

 私が不思議に思いゆっくりと彼の顔を見てみるとそこには…微笑んでいる彼の姿があった…

「…僕の名前は【綾崎ハヤテ】といいます…貴女の名前は…?」

「えっ…【ヘカテー】…といいます…」

 私は驚きのあまり呆然としながら、つい本名を答えてしまいました…まぁ知らないとは思いますが…

「【ヘカテー】…いい名前ですね…」

「えっ…?」

 いい名前…そんなこと初めて言われました…名前なんてただ個体を区別するもの…大して重要ではない…今までそう思っていました…

 しかし彼に名前を呼ばれた時…それが間違っているような気がしました…それに…何故だか胸の辺りがとても温かく感じました…

「ヘカテーさん…これから僕は街に行くんですが、一人では寂しくて…良かったら一緒に来てくれませんか…?」

 彼はそう言うと手を出してきた…私はその手にゆっくりと自らの手を近づけ…

「…よろしくお願いします…」

 …その温かい手を握った…

「はい、こちらこそよろしくお願いします♪」

 …もう少しだけ…彼の…【綾崎ハヤテ】の傍に…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.9 )
日時: 2008/02/20 16:35
名前: 初心者


第6話〜満員電車〜

 …何で今、私はこのような状況下にあるのでしょうか?

 あのあと私達は公園から離れ、電車という物に乗ることにしました…まぁそこで私が乗り方を知らず、彼が苦笑していたことは別に良いとしましょう…

 そのあと電車に乗ったまでは普通でした…しかし今のこの状況はなんでしょう…?

 一言で言い表しますと…密着しています…

 電車に乗っていると大勢の人間が乗り込んできて彼と密着する形になってしまいました…まぁ幸い私は壁際だったので他の人間とは密着していませんが…

 正直、他の者と密着状態になってしまったことは何度かあります…煙草臭いあの男が抱きついてきた時は本当に消そうとしましたが…

 …しかし…

 彼と密着しているだけで存在の力が消えていく気がします…さっき彼と一緒にいた時は安らいていたのに…今はまったく落ち着けません…それにまた身体が熱いです…

 …本当に何故でしょうか…?

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.10 )
日時: 2008/02/21 10:50
名前: 初心者


第7話〜胸の詰まり〜


「ヘカテーさん、あそこでお昼にしませんか?」

「私は良いんですけど…その…」

 正直、私は金銭を持っていません…電車代も彼に出してもらいました…

「お金なら気にしないで下さい♪ 僕が付き合わせてしまっているのですから、これぐらい奢らせてください♪」

 彼は本当に優しい…何故他人のためにそんなに尽くせるのでしょうか?

「…ありがとうございます…」

ーーーーーー

「ヘカテーさんは何にしますか?」

「えっと…ではAセットをお願いします…」

「わかりました♪ すみません、Aセットと…Dセット…をお願いします」

「はい…少々お待ちください…」

「えっ…?」

 Dセット…?

「ハヤテさん…? Dセットなんてありましたか…?」

「…違いますよ…僕はBセットと言ったんですよ♪」

「…そうでしたか…」

 確かに彼はDセットといいました…しかしその時の彼には追及させない雰囲気があり、私は追及出来ませんでした…

 そして彼は食事と共にこっそりと何かを受け取っていました…分かったのは、彼が少し悲しそうに、苦しそうにしていた事だけでした…

 なんでしょうか…? 彼のその表情を見たとき、私も胸が詰まるような感覚に陥りました…確かなのは、これがあまりいい気持ちではないことです…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.11 )
日時: 2008/02/22 00:07
名前: 初心者


第8話〜感情そして思い〜


 胸が詰まったような感覚に陥っているとミルクティーが来ました…少しこれでも飲んで落ち着きますか…

「……」

 おいしくありませんね…人間達は味にこだわらないのでしょうか…?

「…ヘカテーさん、少し待っていて貰えますか?」

「えっ…あ、はい…」

 数分後、彼が戻ってきました…彼が持っているのは…ミルクティー?

「はい、どうぞ♪」

「えっ…?」

「いえ…さっきのミルクティーが美味しくなかったのかなぁ〜っと思いまして…」

 …! 何故彼はそんなことまで気付けるのでしょうか?

「この店は仕事仲間の…いえ、友達の店なので、頼んで自分で作らせてもらいました♪」

「…わざわざ、ありがとうございます…」

 何故彼はそこまでしてくれるのでしょうか…?

「…美味しい…!」

 本当に美味しいです…! 正直、今まで飲んだ物の中で一番美味しいです! それに…とても…温かいです…

「よかった♪ やっと元気になってくれましたね♪」

「えっ…?」

 どういう事でしょうか…?

「さっきから何か苦しそうにしていたので…少しでも楽になったならよかったです…」

「…!」

 …どうして…?

 …本当は貴方の方が苦しいはず…

 どうしてそこまで他の者のために尽くせるのですか…?

「じゃあそろそろ他の所に行きましょうか?」

「…はい…」

 このあと私達は色々な物を見て回りました…その途中で彼がまた苦しそうな顔をしながら誰かに先程の物をこっそりと渡していましたのを見てしまいました…そのあと彼が苦しいのを我慢して普通を装っているのを見たとき、また胸が苦しくなりました…

 とはいえ、とても充実した時間でした…色々な物を見ることができ、様々な感情というものを知ることが出来た気がします…

 …とても心地よい時間でした…

 今はもう日が暮れてきてしまったので、帰りの電車を待っているところです

 時間が進むのがとても早い気がします…何者かが自在法を使ったのでしょうか…? 私も自在法で時を遅くしてしまいたいです…

 …彼と一緒にいて、いくつか分かりました…

 まずはいつの間にか、彼の傍にいると安らぐだけではなく、なんと表せばいいのでしょうか…?

 恥ずかしい…?

 そう表せばいいのでしょうか…? 電車の時のように密着していなくても、あの時のような感覚に陥いるようになりました…確かに安らぐような感覚ではありませんが、嫌な感覚でもありません…

 そして彼は…私の事をきちんと見ていてくれている…今までは私自身のことよりも、私の自在法や、自らの保身の為に私の機嫌取りばかり考えている者達ばかりでした…

 しかし彼は…私自身の為に私を見ていてくれている…自分に苦しい事があっても、そんなの関係無しに私を気遣ってくれている…

 …しかし…

 だからこそ…苦しい…

 彼は私の為に沢山の事をしていてくれているのに…私は彼の為に何もしてあげられない…

 力を解放すれば彼を助けられるかもしれないけど…力を解放する事、それはつまり…私達の事を話すこと…

 私達の事を知ってしまったら優しい彼でも私を拒絶するかもしれません…もしかしたら私達に関わってしまったせいで死んでしまうかもしれません…

 …嫌…それだけは嫌です…恐怖と人間が呼んでいる感情でしょうか…?

 今までどんなに死にかけても恐怖という感情は感じませんでした…しかし…

 だから私は彼を助けられません…彼を助けられるかもしれない力があるのにも関わらず、彼を助けられません…

 その無力さが私の胸の詰まりに変わり、苦しくなります…

 …それでも私は…貴方の傍にいたいです…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.12 )
日時: 2008/02/23 21:35
名前: 初心者


第9話〜芽生える感情〜


 帰りの電車では空いていたため、座ることが出来ました…しかし…

「……」

 …眠いです…

 最近の疲れと彼の傍で安心出来るということもあってか、意識が薄くなっていくのが分かります…

 あっ…彼の体に寄りかかると…ちょうど…

 少しだけ…このままで…


ーーーーーーー


「…んっ…っ…」

 …?

 …そうでした…電車で寝てしまったんでした…

 じゃあ今、私はどういう…

「……」

 目の前には蒼い髪、私が掴んでいるのは…肩…? それに、ここは温かいですね…

 ………

 …おんぶ…?

「……」

 …公園に着くまで…このままで…


ーーーーーーー


 もう着いてしまいましたか…

「あっ、起きましたか? とりあえず公園に来たんですけど大丈夫ですか?」


「はい…ありがとうございます…」

「暗くなってきたので、家の近くまで送りますよ♪」

「えっと…」

 どうしましょうか…帰ろうと思えばどこでも帰れますし…どちらかというと貴方の家の場所を…

「「…!」」

 殺気!? フレイムヘルズでしょうか!? いえ、これは…人間…?

「…っ、ヘカテーさん! 僕の後ろにいてください!!」

「えっ…分かりました…」

 前方から3人の人間…手には刃物…!?

「ハヤテさん!」

「大丈夫です…僕に任せてください…」

 そう言って彼は前の3人の男達に向かった…

ーーーーーーー

 やはり彼は凄いですね…この男達が彼の苦しみの原因なのでしょうか…?

 ………

 彼と別れたら、軽くこの輩の掃除でもしましょうか…?

「大丈夫でしたか…? すみません…こんな事に巻き込んでしまって…」

 そう言って頭を下げて謝ってくる彼…貴方のそんな悲しそうな顔は見たくありません…

「私は平気です…それよりも…」

 …貴方の方が…

 ……!!

 私が言い切る前に、彼は倒れてしまった…

 最悪のシミュレーションが私の頭を過る…

 …嫌…!

 …私は気が付くと彼に駆け寄っていた…

 良かった…気を失っているだけのようです…

「…?」

 …良かった…?

 どうして私は彼のことをこんなにも気に掛けているのでしょうか…?

 どうして私は彼が無事だと知ると安心したのでしょうか…?

「…今日は貴方のお陰でとても楽しい時間を過ごせました…」

 …それよりも…

 確かに私は…彼を失うことを拒否した…恐怖した…何故…?

 そもそも彼とは、一緒にはいられない関係…住む世界が違う…

 …埋めようのない溝…

 私達にとって人間は…どうでもいいような存在…心配なんてする必要のない存在のはず…

「私には楽しいという感情はよく分かりませんが…そんな気がします…」

 …それなのに…

 私は彼を…綾崎ハヤテを…失いたくない…

 …いっそのこと全てを彼に話して…

「……」

 …止めましょう…彼には彼自身の大切な暮らしがあります…

 彼を無理やりこちらの世界に引きづりこんでも…意味がありません…

「せめての御礼に…貴方の疲れを楽にさせてください…」

 …それに…彼は私達のように半永久的に生きられるわけではありません…

 …せめて…

「零時迷子があれば…」

 …貴方と永遠に一緒にいられるのに…


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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.13 )
日時: 2008/02/24 12:09
名前: 初心者


第10話〜綾崎ハヤテ〜


 …彼の疲れを取るために、彼に自在法を掛けると少し分かりました…

 彼は…ミステス…宝具の名前は確か…サンタクロース…

 所有者の様々な力を強くする宝具…しかしおかしいですね…確かこの宝具は、所有者の運も最大限まで上げてくれるはず…

 正直…彼は運がいいとは言えません…つまり…

「今の運が…最大…」

 …そして…

「運が最大まで上がって、ようやく死なないで済む…」

 どうやら彼は本来なら既に死ぬはずの運命のところを宝具の力で生きているようですね…だからこんなにも運が悪いのでしょうか?

「…不憫…ですね…」

 ………

 …さてと…

「さっきから見ている者…何の用ですか…?」

「…バレてたか…まぁいい…お嬢ちゃん、そこのガキを渡してくれないか…?」

 この人間も見ているだけで不快になりますね…

「どうして渡す必要があるのですか…? ハヤテさんが何か悪いことをしたのですか…?」

「ソイツ自身は何もしてねぇよ、したのはソイツの親だ…とにかく俺たちはさっさとソイツを売って金にしてぇんだよ…さっさと渡せや…ガキが!」

 彼自身は何もやっていない…なのに彼を…

「…そうですか…」

 …この人間達のせいで彼は苦しんでいる…

「…死んで償いなさい…」


ーーーーーーー


「大丈夫ですか…?」

「…ヘカテーさん…? 僕は…?」

「あの後、倒れてしまったんです…無理しないでください…」

「…すみません…迷惑を掛けてしまいましたね…」

「別に気にしないで下さい…だけどあの方達は…?」

「……」

 私は馬鹿でしょうか…? こんな事を聞いても彼を苦しませるだけ…

「あっ…やっぱり…「実は…」

 …聞かないでいいです…

 私がそう言うよりも早く…彼が言葉を紡いだ…

「……」

 私は黙って彼の現状を聞いていた…


ーーーーーーー


「そんな…」

 信じられません…信じたくありません…

 彼は今まで信じられないほどの苦しみを味わってきた…そしてこれからも…

 …何故…

「何故、貴方は笑ってもいられるのですか…?」

 声が震えているのが自分でも分かります…

 何故、そんな暮らしをしているのにあんなにも優しく他の者を安心させられる笑顔が出来るのですか…?

「…せめて…他の人は幸せであって欲しいから…ですかね…」

「…っ」

 …何故…?

 何故、貴方はそんなにも…自分を傷つけるのですか…?

 何故、貴方はそんなにも…他人を思いやれるのですか…?

「……」

 話してしまいましょう…私達のことを話して私達の所へ来てもらいましょう…

 最低でも…今の暮らしよりかはマシの筈です…

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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.14 )
日時: 2008/02/24 16:24
名前: 初心者

 話してしまいましょう…私達のことを話して私達の所へ来てもらいましょう…

 最低でも…今の暮らしよりかはマシの筈です…


第11話〜水晶玉〜


「ハヤテさん…」

 私が決心して話そうとすると…

「それに…仕方がないんです…」

 さらに彼が話し始めた…

「仕方がない…?」

「はい…僕はあの人達の息子でも本当の息子ではありませんから…」

「…!?」

「あの人達は…僕の姿を見る度に憎しみ、悲しみが湧いてくる筈です…」

「どうして…?」

「昔…僕は幸せでした…あの人達から普通以上の愛を受けて育ってきました…」

「だけど…あの日に…全てが変わったんです…」

「あの日…僕は兄と一緒に遊んでいました…しかし…」

「…気が付くと僕一人でした…」

「本当に一人になっていました…兄の痕跡すら無いんです…存在が…消えていたんです…」

「…!」

 存在が消えた…? まさか…!

「あの人達に聞いても、頭を必死に抱え込むだけで『そんな奴知らない』と言われました…でも…その時のあの人達の姿は悲しそうでした…」

「わけがわかりませんでした…気が付くとさっきまで目の前にいた筈の兄がいなくなって、兄の事を知っている人がいなくなっているんですから…」

「…っ」

 間違いありません…それは紅世の徒の仕業…

「そして…僕自身も変わってしまったような気がしました…」

「何と無くですが…そんな気がしました…いえ、確信がありました…自分はさっきまでの自分とは別人だと…」

「……」

 どうして気付いてしまったのでしょうか…?

「何より…その日から、あの人達から赤の他人のような…道具を見ているのような眼で見られるようになったんです…」

「あの人達にとっては…自分達の息子が死んだも同じなんです…」

 普通は喰われても気付けない…だけど…彼等は気付いてしまった…

 そして…間違いないのは…

 …私達が彼等の暮らしを壊してしまった…

「……」

 たとえ…直接関与していなくても…彼には…話せない…

「すみません、急にこんな変な話をしてしまって…可笑しいですよね…」

「…そんなことありません…」

 そして…彼の悲しい過去を否定することも出来ない…

「…そんなこと…ありません…!」

「ヘカテーさん?」

「可笑しくなんて、ありません…!」

「…ありがとうございます…」

 何故、私なんかに御礼を述べるのですか…? 私はむしろ…

「あっ…すみません…そろそろ次のバイトが始まる時間です…お別れですね…」

「……」

 返事が出来ません…声を出すことが出来ません…とても…とても胸が苦しいです…

 私が下を向いて俯いていると…

「…ヘカテーさん…」

 …彼が私を抱き締めてきました…

「…ハヤテさん…?」

「泣かないで下さい…」

「えっ…?」

 泣く…? 私が…? そういえば視界がぼやけてきていたような…

 今、下に水滴が落ちました…涙…?

 何故、私は泣いているんでしょうか?

 …何故…?

 理由が沢山ありすぎて分かりません…これが…悲しいという感情…とても苦しいです…

「ヘカテーさん…貴女が負い目を感じる必要はありませんよ…」

「えっ…?」

 彼は私の驚きと疑問の声を無視してさらに言い続けます…

「これ…受け取って貰えませんか?」

「これは…?」

 小さな蒼い水晶玉…?

「これは…兄がいなくなった時に僕が握っていた物です…兄の…形見です…」

「…! そんな大切な物…受け取れません!」

 恐らくこれは…彼のお兄さんの宝具…

「じゃあ、また再会した時にでも返してください♪」

「えっ…?」

「これはまた会えるための御守りです♪ またいつの日か何処かで会いましょう♪」

「…ハヤテさん…」

「それではさようなら、ヘカテーさん♪」

 私の好きな安心できる笑顔で言うと彼は優しく微笑みながら私の頭を一撫でして走って行ってしまった…

「…ハヤテさん…」

 私は彼の後ろ姿を見つめながら、彼の名前を呟いていた…愛しい彼の名前を…

ーーーーーーー


 彼は気付いていたのかもしれません…私が関係していることに…なんとなくでしょうが…

 私は彼から沢山のものを貰いました…様々な感情を知ることが出来ました…

 私は彼のことを好きになってしまったようです…本来なら私達には要らない感情…でも、とても大切な気持ち…

 次に彼と会う時までには彼の苦しみを減らせるような自在法を使えるようになっておきたいですね…それと零時迷子も欲しいです…

 …そして…

 彼の傍に要るためにも、もっと多くの感情を知る必要があります…そうすれば、お互いに一緒にいるのがもっと幸せに感じるでしょう…

 彼の苦しみを知り、楽にさせてあげられるかもしれません…

 今、私の手の中には彼から貰った…借りている水晶玉があります…

 この宝具の力は分かりません…でも分からなくても良いです…これは…

 …彼とまた会えるための御守りなのですから…


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Re: 貴方の傍に…(シャナクロス) ( No.15 )
日時: 2008/02/25 17:15
名前: 初心者
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=2056

最終話〜貴方の傍に〜


ーー現在ーー


 あの後、何度も彼を探して見ましたが彼の気配が少なかった為か彼に会うことはありませんでした…

 走馬灯のようなものでしょうか…彼との思い出が終わると、彼から貰った水晶玉の光がさらに強くなり私の身体を包み込みました…そして…意識が…

………


ーーーーーーー


「ここは…?」

 気が付くと私は見覚えのある公園のベンチに座っていました…

「生きている?」

 何故私は無事なのでしょうか…? 確かにあの時、自分の存在が消えていくのを感じました…これがあの宝具の力でしょうか…?

 それと…私の力が殆んど無くなっていますね…これが代償でしょうか…?

「どうしましょうか…?」

 殆んど人間…更にこれが代償なら、力が戻る可能性は限り無く低いでしょう…つまり…無力…

 私が悩んでいると…

「ねぇねぇ、俺たちと一緒に遊ばねぇ?」

 …男二人が話しかけてきました…

 不味いですね…今の私では…

「とりあえず、俺たちの車に乗ろうぜ」

 そう言いながら私を無理矢理連れていこうとする男達…

「止めて下さい…!」

 私が声を上げて振り払おうとしても、今の私の力では敵いません…男達はただ笑いながら連れていこうとするだけ…

「誰か!」

 …誰か…?

 いえ、私が助けて欲しいのは…

「助けて…ハヤテさん!」

 私が彼の名前を呼んだ次の瞬間…

「疾風の如く!!」

 一陣の風が吹いて、男達を吹き飛ばした…

 私が恐る恐る目を開けるとそこには…

「大丈夫ですか…? …ヘカテーさん…」

 私が愛した彼がいた…

「…ハヤテさん…!」

 私が求め続けた彼がいた…

 私は思わず彼に抱きつく…強く強く抱き締める…もう離れないように…

「ヘカテーさん…」

 彼も少し驚いたあとに抱き締め返してくれる…彼が優しい声で私の名前を読んでくれる…


 …温かい…


 この温もり…この安心出来る彼の温もり…


 …私が求め続けた彼の温もり…


 …もう離れたくない…


 …ずっと…



 …貴方の傍に…





  〜fin〜





ーーーーーーーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーーー

 こんにちは初心者です!

 まずは『貴方の傍に』を最後まで読んでいただきありがとうございました!

 そして次にすみませんでした…本当なら再会した後の事も書くつもりだったのですが、途中でこの小説は『ハヤテの要素が少ない』ということに気付きました…

 そして自分の未熟な力では改善出来なかったために、早めに書き上げる形を取らせてもらいました…本当にすみません…もちろん手抜きにしたわけではありません、それだけは断言出来ます!

 今回は前回の『貴女との思い出』で出来なかった書き方を練習してみました! やっぱり難しかったです…特に視点が…


 前回の『貴女との思い出』、一話完結も含め、感想・御指摘お待ちしています!!


 最後にもう一度…『貴方の傍に』を最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!!


 ではさようなら!!


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