(1)山本さんは否定論を理解しているか!?
山本さんもご存知のはずの否定論の研究書籍としては『南京虐殺の徹底検証』東中野修道著という研究書があります。山本さんは『と学会年鑑2001』及び『トンデモ本の世界R』で内容を批判しています。 当然ながら『南京虐殺の徹底検証』でも幕府山事件や便衣兵摘発処刑について「なかった」とはしていません。国際法の解釈や解放途中の自衛発砲説が争点となっています。
読んでもないのに批判をされた?。ということはないと思いますから、山本さんは否定論が「事件の存在は否定していない」という事は知っていたことになります。つまり事実を隠蔽してトンデモ否定論(真田)を設定したことになります。
(2)『南京虐殺の徹底検証』は参考資料に記載せず
山本さんは『南京虐殺の徹底検証』を読んでいるはずですが、どういうわけか『神は沈黙せず』の参考資料として記載がありません。山本さんの過去作においてインチキと批判した否定論ですから作品中でも容易に論破可能だと思われますが、どういうわけか否定論のモデルとして参考にされず、変わりに低レベルなトンデモ否定論(真田)が登場しています。不思議ですね。
(3)山本さんの「東中野批判」
『トンデモ本の世界R』P346
たとえば東中野教授がしばしば引用する『南京戦史』(偕行社)や『南京大虐殺殺を記録した皇軍兵士たち』(大月書店)に収録された、南京戦参加者の日記の数々、あるいはミニ−・ヴォートリンの日記を収録した『南京事件の日々』(大月書店)、マギー牧師の日記を収録した『目撃者の南京事件』(三交社)といった本を読まれたことはあるのだろうか。
僕はこれらの資料にひと通り日を通している(南京大虐殺関連の本はもう三〇冊以上読んだ)。だからこそ、東中野教授がどんなデタラメな手法を用いているかが分かる。些細な矛盾点を針小棒大に取り上げて証言全体を否定しようとしたり、文章を引用する際、歪曲して正反対の意味にしてしまったり、都合の悪い記述は無視する一方、信憑性の低い資料を重視したり、まさに「好き勝手」としか,いいようがないのだ。南京大虐殺の犠牲者数については、「三〇万人」と「ゼロ」という両極端のトンデモ説が火花を散らしているが、東中野教授の著書はその中でも特にインチキだらけのひどい代物なのである。
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ボロクソに批判していますね。
その割には小説の中では東中野説に対する反論らしき部分はほとんどなく、むしろ東中野説を避けてトンデモ否定論(真田)を登場させたりしています。
東中野説を「インチキだらけ」と論破するだけの力量があると自負された山本さんですから作品中でも東中野説を論破するのは容易なはずです。しかし現実は現実に存在する否定論に対する反論はされていません。山本さんが独自に設定した、現実世界から遊離した低レベルのトンデモ否定論(真田)を論破しているに留まっています。
この辺りは10代を対象にしたSF娯楽作品なので現実世界で通用する理論は必要はないという判断があるのかも知れません。そもそも山本さんは『神は沈黙せず』という小説において、正しい知識(現実世界に存在するレベルの否定論)を記述するという考えはないのかも知れません。
現実世界でありえないレベルのトンデモ否定論を設定して、それを論破する行為をもって「正しい議論のお手本」とか、「完璧な論理」といってのけるのは山本さんの「体を張ったギャグ」なのかも知れません。
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