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中国残留邦人の理解を 長野で集い

2月2日(月)

帰国者の体験談を聞いた「中国残留邦人への理解を深める県民の集い」

 終戦の混乱で旧満州(中国東北部)に取り残された人々とその子どもらの体験談を聞く「中国残留邦人への理解を深める県民の集い」は1日、長野市のサンパルテ山王で開いた。帰国後に県内で暮らす残留孤児や2世、3世ら計4人が、帰国後の苦労や喜び、将来の夢などを発表。帰国者家族ら約360人が耳を傾けた。

 8歳のときに下伊那郡泰阜村から家族で満州に渡った中島千鶴さん(76)=飯田市=は、45年後の1985年に帰国した。「戦争をして困り、悲しむのは普通の国民。2度と戦争をしないでください」と強調。公民館で中国語の講師をするなど、地域と前向きにかかわるようになった近況を紹介した。

 発表者で最も若い残留孤児3世の野村霞さん(20)=下伊那郡高森町=は「通訳になって日中両国の懸け橋になりたい」と決意を語り、会場から盛んな拍手を浴びた。

 集いは、厚生労働省の委託を受けた財団法人中国残留孤児援護基金(東京)が主催。県日中友好協会(長野市)が協賛した。中国の春節(旧正月)に合わせ、もちつきや獅子舞も楽しんだ。