「死骨湖?・・・こりゃまた随分物騒な名前の湖だな?本当にそんな名前なのか?はたけ?」

「ははは、そりゃ後にこの地に移民してきた人間が当てた当て字だよ。本来の 湖の名前の由来はアイヌ語の「シ・コッ(大きな窪地)」らしい。 ただこの湖は溺れて死んだ者や自殺者の遺体が決して上がらないことで有名でね。 地元の人間にはそういう物騒な呼び方をする者もいるらしい」

「死体が上がらない?そんな馬鹿な?水死体が発生する腐敗ガスの凄まじさからもあり得ない! 70キロの重りをつけて入水自殺したって浮いてくるんだぞ?」

「あははは。水死はお前の専門だからなあー、うみの。だが、どういうわけか本当に そうなんだから仕方ない。湖で事故死して遺族が必死に遺体を捜索してもやっぱり 全然見つからないそうだ。湖の名の通り、静かに湖底に横たわったまま、遺体は骨になる。 たぶんこの湖が世界でも有数の透明度を誇る微生物のほとんど居ない水だから 遺体が腐敗しにくいんじゃないかという説もあるらしいんだが、本当の原因は不明だ そうだ」

「単に観光客を怖がらせないために後で遺体が浮いてきても黙っているだけじゃないか? 俺は信じないぞ。そんなケースはありえない」

「あははは、何をそんなムキにならなくとも?いいじゃないか、死体は上がってこない湖、と いうことにしておけよ。なんとなくロマンがあるじゃないか?綺麗な水の底で静かに 眠り続けるとか・・・」

「何がロマンだ。水死体を実際に目のあたりにしてみればロマンもへったくれもあるもんか。 水死体ほどもっとも悲惨な死体はない。轢死体より酷い。ぶくぶくのドザエモンになるんだぞ? キンタマなんて風船のように膨れ上がるんだぞ?」

「ああ、もーー。具体的な事例まで言わなくていいから。まったく俺の相棒はこと水に 関しては詳し過ぎて困る」




木の葉上忍、はたけサクモとその相棒の同じく上忍うみのクジラは、その真冬の日、 雪の国の”死骨”と呼ばれる湖の前に佇んでいた。
目的はこの湖の対岸にある秘湯の誉れも高い高級温泉に泊まるためである。




「昔は冬季はとてもじゃないが客が辿りつけない場所だったので閉鎖されたっていうが、 今は一応冬季でも泊まれるらしい。しかしやっぱり客はほとんどいないらしい。 交通の便が悪すぎるし、今はシーズンオフだからな。隣の冬夜湖の方がサミットもあって有名 になったし。予約客は俺達だけ。貸切状態だ」

「あはは、楽しみだな。温泉なんて久しぶりだ」

「うん・・・・久しぶりだな。しかもお前と一緒なんて初めてだ。いや、これが生涯で 最初で最後の旅行になるかもしれない」

「はたけ・・・・・」




縁起でもないことを、と即座に否定することがクジラにはできない。
自分も唇を噛み締めて思わず俯いてしまう。 だが、気を取り直してそんなクジラを励ますように明るく声をかけてきたのはサクモの方だった。




「・・・温泉までの道は除雪されているが、やっぱり険しいし面倒くさいから湖を 渡っていこう。その方が早いし、昔はこの湖も凍って向こう岸に行けたそうだ。 今は温暖化したから無理だが、俺達忍者だけは昔ながらの方法で温泉に入りにいけるって いうことさ」

「あ、ああ。うん」




そして二人の忍者はチャクラを使って湖の「水面」の上を対岸へと歩き始める。

この湖が世界有数の透明度を誇るというサクモの説明は本当で、随分と湖の深い所まで 歩いてもずっとずっとずっと下の湖の底の土までしっかりと見下ろせるものだから クジラはちょっと怖くなってきてしまった。
本当に何十メートルもの水が全部透明で自分が非常に高い場所を歩いているのがわかる。
あそこに落ちたら怖い、
と誰でも本能的に恐怖してしまうだろう。
その位湖の水は透明すぎて、まるで高い上空に張ったガラスの板の上を歩いているような 体感なのだ。




「ふふふ・・・お前でも怖いのか?うみの?」

「べ、別に怖くなんか・・・」

「あはは、無理すんなよ。ほら、手を繋いで歩こう。そうすれば怖くない」

「お、おいっ!ちょ!」




だが、サクモはさっさとクジラの冬の大気に冷された手を握り、クジラを守るように寄り添って ゆっくりと水面を渡っていく。
それだけの行為なのにクジラはもう恥ずかしさに真っ赤だ。




「何赤くなっているんだ、うみの?手を握っただけじゃないか? 俺達もっと凄い所も握りあった仲だろ?」

「な!な!な!なに馬鹿なこと言ってるんだ?!!まだ真昼間だぞ!!」

「あれ?夜ならいいのか?そもそも二人きりで誰もいないのに、ハハハ、可愛い奴」

「うううううーーーーー」




そう、今のサクモとクジラは二人きり。

二人の愛を邪魔する者は誰もいない。

世界には愛し合うサクモとクジラの二人きりしかいない。

なんでこんなことになってしまったのだろう?と二人ともに口にはしないが、 今回の旅行は”逃避行”に近い。

いわば駆け落ちだ。

四代目火影候補、波風ミナト、通称「しめ縄」が上手くやってくれるとは思うが、 いざとなればサクモもクジラも最後の手段を覚悟していた。

いざとなれば、本当に本当にもうどしようもなければ一緒に ”心中” しよう、

一緒に死のう、と。
























■ 氷点・1 ■


20禁。パパ世代、サクモ×イルカ父。最後にサクモは自殺しますので死にネタです。



















実に立派な日本建築、日本庭園も見事なその温泉旅館に到着すると、 旅館の主人と女将、仲居さん達が全員で三つ指ついてにこやかにサクモとクジラを出迎えてくれた。


「遠い所からよくおいで下さいました。従業員一同、心からのおもてなしをさせて頂きます」

「ありがとうございます。俺は木の葉のはたけサクモ、こっちは俺の相棒のうみのクジラ。 ご覧の通り忍者です」

「左様でございますね。どうぞこの旅館にご滞在の間は任務を忘れてごゆっくり」


高そうな紬のアンサンブルもビシリと決まった旅館の初老の主人とその女将の笑顔は クジラ達が忍者の正規の忍服姿で現れても微動だにしない。
普通こういう旅館にプライーベートなのに忍服のまま(おまわりさんで言えば制服のまま) 現れれば不審に思ったって当然なのに、こちらに何か事情があるのだろうと即座に 知らんぷりの演技してくれた。
流石プロ、と
内心舌を巻いたクジラだったが、流石に知る人ぞ知る高級温泉旅館は何もかもが超一流、 従業員の態度も雪の積もった見事な庭も旅館の家具調度、骨董、床の間の軸まで すばらしい一品。
こりゃ料理も楽しみだ、とばかりにまず離れの部屋で一服した後、さっそく離れについている 露天風呂でひと風呂浴びようということになった。




「う〜〜〜〜ん、いい湯だなあ〜〜、流石100%原泉かけ流し!ボイラーで沸かし直して 循環させているどこぞのインチキ温泉とは全く違う!おおーーーい、うみの! 何やってる!早く来いよ!気持ちイイぞおーーーーー!」


とかなんとかすっかり温泉にご満悦で上機嫌のサクモは湯の中でふんふんと鼻歌なんか 歌っているが、クジラはもうどうしていいものか今更ながら真っ赤になって戸惑っている。
サクモと一緒に脱衣所に入ったはいいものの、サクモはとっとと服を脱いで素っ裸に なって温泉に飛び込んでいったが、クジラの方は恥ずかしくて服もなかなか 脱げずにグズグズしていた。

だって、あのサクモの前で裸になれるかってんだ!

そりゃ今までも何度も一緒に風呂やシャワーや行水や、川や戦場の五右衛門風呂のドラム缶 の中で身体を洗った仲だが、そのサクモと「こう」なって改めて一緒に風呂に入る、 夕方とはいえまだ明るい陽光の中で裸を見られるのが恥ずかしくって仕方ない クジラだったのだ。
もう37歳にもなるのに初めて恋人と風呂に入る小娘のように今更恥じらっているクジラにサクモが早く!早く! と急かしてくる。
仕方ないので、エイヤ!っと服と下着を下ろし、前はしっかりタオルで隠してはいるが、 クジラは気合を入れて露天風呂の湯けむりの前に立った。

その漸く現れた不倫の恋人の生まれたままの姿に、サクモが眩しそうに目を細めながら 微笑む。


「・・・・ようやく来たか。何を今更恥ずかしがっているんだか?」

「い、い、今更って言ったって・・・・こ、ココロの準備が・・・」

「心の準備?ふーーーん、俺とのハジメテの温泉エッチに挑む前の心の準備か?」

「ば!馬鹿っ!な、な、何言ってんだ?!お前っ!ま、まだこんなに日も高いのにっ!」

「あれ?じゃ、やっぱり夜になればオッケーってことか?ふふふ、ま、夜は夜で お楽しみもあるが、やっぱりもう俺は我慢できない」

「あっ!」


湯の中でサクモと微妙に距離をとって座っていたクジラの手を強引に引っ張り、 サクモが自分の胸の中にクジラを抱き締める。


「さ、サクモ・・・ま、まってく・・・!」

「イヤだ。もう待てない。それに今更何をビビッてるんだよ?もう一回だけだが エッチした仲じゃないか?」

「そ、そりゃあそうだが・・・あの時は忍犬達を呼び出すだけでもう必死で・・・」

「そうだな・・・俺もチャクラ切れの瀕死の状態、とてもじゃないがキッチリ お前を満足させてやった自信がない。でもこれからは、今夜は死ぬまでお前を いたぶってやるから安心しろ。腰が砕けるまで抱いてやるから」

「し、し、死ぬまでイタブル・・・いたぶるって・・・!ちょ、ちょっと、まて!マジか?」

「そーだ。覚悟しとけ。愛しているよ、クジラ」

「・・・・・さ、サクモ・・・・・・・」




もうそれだけの愛の言葉でクジラの黒い大きな黒曜石のような瞳からぶわっ、と 涙が溢れて落ちる。
泣くな、と優しく囁きながらサクモの手がクジラの手を湯の中で勃起しきったサクモのそれに 導いてくる。




「ほら、わかるだろ?触ってみろよ。お前の裸で俺のもうこんなになっている・・・」

「う・・・・」


それは確かにもう限界まで張り詰めた元気さで、無理やり触れされてクジラももう真っ赤だ。


「そ、そんな・・・・でも、今まで何度も一緒に風呂というか行水も浴びたけど、 お前俺の裸でこんなになってなかったじゃないか?」

「そんなことはない。上忍の理性で必死に抑えていただけだ!油断すれば一秒で勃起ったさ! お前だって本当はそうだったんだろう?なあ?クジラ?」

「う!うう・・・・そ、そりゃあまあ・・・・大変だったけども・・・」

「いいや!俺の方が絶対大変だった!お前も辛そうだったけど、結構一瞬で克服して 後は涼しい顔で風呂に夢中になってたじゃないか?俺の方がその間ずーーーっと お前に襲いかかりたくて死にそうだったことも知らずに!」

「そんなこと言ったって本当に知らなかったんだから仕方ないだろ!!!」

「今はもう知っているんだから遠慮はいらないな」

「あ・・・・・サクモ・・・・・ンンッ」




そしてサクモの右手も勃起ち始めたクジラの中心を握りしめ、二人は互いの熱を昂ぶらせ ながら湯の中で口付けを交わした。
もうそれだけで喜びのあまりクジラは失神しそうだ。




「・・・・ああ、サクモ、サクモ、サクモ・・・好きだ、ずっと好きだった。ずっとずっと 愛してた。お前しか欲しくなかった。お前の他はもう誰もいらない。何にもいらない。 お前だけ居てくれればいい・・・・愛している、愛している、愛してる・・・・」

「俺もだよ・・・クジラ」




そして長い長い口づけが終わった後、サクモはクジラを露天風呂の湯の中で対面座位で自分の膝の上に 乗せ、クジラの尻の左右の双丘に指を食いこませて広げさせると一気に猛った雄で突き上げて きた。




「イっっ!!!」

「悪い・・・・痛かったか?」

「い、いや・・・・へいき・・・・ア」




激痛は一瞬だけで、あとはサクモの巧みな前を刺激する指と掌の動きと、リズミカルで 浮力のついた身体に内部から重くじわじわと圧倒してくる二箇所からの快楽に クジラはすぐに頂点にもっていかれてあんあんと喘ぐしかない。




「・・・・ああ、凄いな・・・・お前の中・・・・熱い・・・俺のを締め付けてくる・・・ たまんない・・・・・」

「さ、サクモ・・・!あ!・・・あ!ヤダ!・・・そん!ア!」




いきなりの強すぎるノンストップで与えられる快楽が激し過ぎて、クジラはもうついていけない。
だが、最初に宣言した通り、サクモはもう手加減なんて全然するつもりはないようだ。
そのまま最初の絶頂に導くべく、まったくの休息も無しにただただクジラを穿ち続け、 前を激しく湯の中で扱き続け、やや滑る温泉のまろやかな湯のお陰でまたたく間に 限界までイカされたクジラが堪らず「ああっ!」とサクモの首に縋りながら上半身を 仰け反らせるとその乳首にサクモの唇が強く吸いついた。


「ヒ!・・・・アアアッ!・・・ああっ!」


その瞬間イってしまい、ドクンドクンと湯の中に二度射精してしまってぐったりと脱力して しまったクジラの体をさらに許さずサクモが突き上げて更に後をひく余韻のトドメを 刺した後射精し、一端引き抜いてから、今度はクジラの体を露天風呂の岩場に縋らせ、 獣の姿勢で後から尻だけ浮かせた恥ずかしい体位で犯し始める。
激しい水音をたてながら。




「ああ・・・クジラ・・・すっげ、エロい・・・お前をこんな風にできるなんて思わなかった。 ずっとずっと夢に見ていたけど、まさか本当にこうして抱けるなんて・・・・・ああ、クジラ、 愛している・・・・もう死んでいい・・・・」

「サクモ・・・サクモ・・・サクモも俺だって・・・・あ!・・・アア!・・・アアア!」




二度目の頂点にもたちまちの内に登りつめ、飽くなき欲望に二人ともに溺れ、貪り続ける。

湯の熱さと体の熱さと快楽の熱さに頭が真っ白になり、サクモもクジラも何も 考えられなくなり、何もかも忘れていた。

本当に何もかも。

里であったことも、こんな破滅を迎えてしまった自分達の運命も。

一瞬だけだったが。








***








名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :
                   い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|   あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|    『忍者の野郎同士二人手に手をとって愛の逃避行!だぜ』
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人      な… 何を言っているのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ     おれも何を言われたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ     頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r ー---ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    不倫とかキモイとか掟違反だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´?`ヽ ⌒ヽ   そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /::::::::::::::::::::::::::?`ー-{:::...       イ     もっと恐ろしい白牙タンの片鱗を味わったぜ…




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :
他人の悪口書いてウサ晴らし?それとも単にヒマなだけか?
どちらにしても、人間として終わってるよ、カワイそうな人たち、同情するよ・・・。
お前らが叩いてるうちの一人は私の友人なんだけどな!?お前らマジうざい、地獄落ちろ!!
あとまともな日本語ぐらい覚えろ、このウジ虫どもが!!!!




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :
なんかのポピペですかにょ(´σз`) 




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :

本人光臨乙

とでも言っとくかにょ




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :
最近ここにでてきてるのって白牙タンじょまい?
どなたのモモダチでしょうかにょ
マジうざいもまともな日本語じゃないとももうんですけどにょ




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :

悪口いって木綿にょ

ご本人に謝りたいからウジ虫どもにお友だちのお名前教えてにょ(ノ_<。)




名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :

それじゃあ今度からご友人さんのことはヌルーするので
誰がご友人かもしえて下さいにょ(人´з`)








***




「ああ・・・・・なんてこった・・・クジラさんたら突撃しちゃって・・・・ こういう場所に直接本人が書きこむなんて自殺行為同然なのはセオリーなのに。 ハイエナどもが喜んであっという間にたかってきてるじゃないか? まあ、無理ないけど・・・・とても我慢できないよな」




その頃、次期四代目火影の座を確約されている天才忍者、波風ミナト(通称しめ縄)は 火影屋敷地下にあるスーパーコンピューター「倉庫」を動かし、ログの確認をとっていた。
ミナトは「倉庫」に質問する。




「で、誰がこのネットいじめ、誹謗中傷を書き込んだの?」


不明です。


「不明なわけないだろ?お前のことだからもうとっくに全部調べ上げてるだろ?」


本当に不明です。この巨大掲示板は昔からハッカーたちの垂涎のマトの難攻不落です。
過去システムに侵入しようとして失敗した腕利き達も山ほどいます。
流石の私でも正面突破は無理です。



「ふふん、でも「正面」ではない突破方法はいくらでもあるだろう?」


それは勿論。ありとあらゆる追跡方法があります。しかし、それはあくまで違法です。
法廷での証拠として提出できません。



「違法でも何でもとりあえず誹謗中傷の本人を確定したんだろう?誰だ?」




ずばり、と聞いてくるミナトに恐ろしい鬼のような形相に、ただのコンピューターなのに 「倉庫」は怯えたような電子音声で一瞬の間のあと、応える。




上忍のスズカ、およびその取り巻きです。




「・・・・くそ!やっぱりか!!!」




怒りのあまりミナトは「倉庫」のキーボードを拳でぶっ叩き、壊されるかと恐怖した コンピューターのモニターが一瞬瞬きしたように点滅する。




「サクモさんとクジラさんをこんな風に追い込んだ奴を俺は絶対許さない! くそ!サクモさん、クジラさん、俺が迎えに行くまで早まらないで下さいよ!」

「・・・・・少しは落ち着けぃ。しめ縄。お前がエキサイトしても今はどうにもならん」

「しかし、三代目!」

「今は耐えるのじゃ。じっと忍耐し、時が来るのを待て。勝てる時に動かねば 勝てる戦も勝てん。特に今のお前は下手に動けん。しめ縄、お前もくれぐれも早まるな。 スズカとて仲間じゃ・・・・・できれば穏便にことを収めたい。あの二人の将来のためにも、 それぞれの妻、その何の罪もない二人の子、イルカとカカシのためにも」

「ウ!・・・・・・」




唇が血が滲むほど噛んで怒る四代目火影候補と、静かな煙草の紫煙を吐きながら怒る 三代目火影も又同じ溶岩のように滾る怒りを必死で堪えていた。

サクモとクジラの関係が暴露され、ネットによる誹謗中傷が「木の葉裏サイト」で 激化したのが、この半年。

二人の火影はこのままでは二人ともに危険と判断して、二人を遠い温泉宿に任務を 名目に一端逃がしたのだった。

この誹謗サイトからは自殺者まで現実に出ているのだ。

人の噂も49日、もしかすれば沈静化するかもと思ったが、それは甘かった。
あれから半年以上たってもこのネットで誹謗中傷を続けるやつらは サクモとクジラに粘着して離れない。

ことがここまで深刻な問題となってしまったのには長い長い複雑にからみあった 経過がある。

ひとことではとても説明できないような、長い長い、悲劇の物語が。
















■その2へつづく

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2009.1.24