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【埼玉】

傘差し事故撲滅を 上尾署 装着簡単な雨がっぱ製作 

2009年2月2日

傘差し運転による事故撲滅を目指して製作が進む、新雨がっぱを着る吉田課長=上尾署で

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 自転車の傘差し運転による交通事故の撲滅を願い、敬遠されてきた雨がっぱの着用率を上げようと、上尾署で簡単に着られるポンチョ型の雨がっぱの製作が進んでいる。特許が取得できれば特許料を交通弱者のタクシー料金などの費用負担軽減の財源に充てたいという。 (水越直哉)

 製作しているのは上尾署交通課長の吉田智春警部(50)。昨年十月、傘を差して自転車を運転していた女性が踏切で転倒、タンクローリーにひかれ死亡する事故があった。課長として二件目の傘差し運転の事故に「このままではいけない」と強く思ったという。

 直後、同じ踏切で女子中学生に「傘さし運転は危険だからやめてね」と注意すると、「なんで?」という返事が返ってきた。「そもそも、なんで危険なのかがわかっていない」。

 傘を差すと、不安定な片手運転になるだけでなく、風にあおられたり、視界が遮られたりして、運転の危険度が一気に高まる。道路交通法で罰金が科されることもある。親も傘を差すなど、雨がっぱの普及が進んでいないためだと考え、開発に着手した。

 開発した雨がっぱは、頭からかぶるだけの簡単なもので、腕を通す必要もなく、ズボンもいらない。前かごを覆う大きさだが、雨の湿り気で前かごに接着してかっぱが風圧にたなびかない工夫を施した。

 問題はデザイン。「若い人が着てくれるかがカギ」として、地元高校の交通安全クラブに意見を聞いた上で、専門の業者に依頼し、完成を待つ。

 予定価格は一着百円以下。特許申請して認められれば、高齢者など免許返納者へのタクシー助成金にと考えている。初めは高齢者などに無料で配り、存在を知ってもらうという。

 吉田さんは「交通事故でつらいのは、加害者、被害者ともにどちらが被害者かわからなくなるほど悲しみが大きいこと。少しでも事故が減少すれば」と悲惨な交通事故を一件でも減らしたい交通警察官としての思いを熱く語る。

 

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