左の図の矢印の部分を見ると、日本人は茶色い馬の尾の左側にいることがわかりますね。

 

馬Ａと日本人Ａの位置関係は右の図のとおりです。

 

茶色い馬の上の朝鮮通信使は、馬の上で右後方の矢印の方向（進行方向に対しだいたい４時の方向）を見ています。

一方、日本人Ａは、馬の左後方をだいたい１０時の方向（青い矢印）に進んでいます。

馬の左後方にいる日本人を叱るならば、朝鮮通信使は、右後方ではなく、左後方に体を捻らなければ日本人を見ることさえできません。これで、この朝鮮通信使は、日本人を叱っているのではないということが解りますね。

 

また、後方の馬Ｂを見てみましょう。

馬Ｂに乗っている朝鮮通信使も、馬Ａの朝鮮通信使と同じく、右後方を見ています。つまり、馬Ａに乗っている朝鮮通信使は、日本人に話しかけているのではなく、後ろの馬に乗っている朝鮮通信使に対して、景色などを指さして話しかけているだけなのですね。