厚生労働省が30日発表した03〜07年の人口動態統計で、1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)を市区町村別に見ると、鹿児島県や沖縄県などの島しょ部が上位の大半を占め、最も高いのは2.42の鹿児島県伊仙町(奄美諸島の徳之島)だった。最も低かったのは東京都目黒区の0.74。
上位30位のうち25市町村が西日本の島だった。いずれも20代女性の出生率の高さが顕著だという。「島には地域で子育てを支える環境があるからではないか」(統計情報部)とみている。
2、3位も伊仙町と同じ島にある天城町、徳之島町。30位以内のうち岡山県真庭市のほかは九州・沖縄の自治体だった。長崎県壱岐市は6位、熊本県山江村は9位だった。
真庭市は「保育園の待機児童がゼロで、小学6年までの医療費ゼロが子育てしやすい環境につながっているのではないか」(子育て健康推進課)としている。
一方、都心の低さが目立ち、最も低かった東京都目黒区をはじめ、東京23区のうち13区が下位30位に入った。学生をはじめとする未婚女性の数が多いことなども影響しているとみられる。
人口動態の市区町村別統計は5年ごと。今回は05年国勢調査をもとに07年末時点の1945市区町村について、5年間の平均値をまとめた。全国平均は1.31で、5年前より0.05ポイント低下した。
98〜02年の状況をまとめた前回調査(04年公表)では最高値は3.14(沖縄県多良間村)、最低値は0.75(東京都渋谷区)だった。
全市区町村のデータは厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/hoken09/index.html)で見られる。(高橋福子)