不登校児童が増えるなど、小学校でも心のケアの必要性が指摘される中、学校法人西南学院(福岡市早良区)は2010年春に開校予定の小学校に、養護教員とは別に専属のカウンセラーを常駐させる。小学校に配置されるカウンセラーは公立レベルで全国の1割程度に広がっているものの、複数の学校を掛け持ちしているのが現状。私立についても「学校単独での配置はあまり例がないのではないか」(日本私立小学校連合会)という。
西南学院によると、西南学院小は1学年70人(2クラス)の男女共学で、10年4月の開校を目指して認可申請している。
運営する中学、高校と大学にもそれぞれ常勤のカウンセラーがいるが、いじめなど子どもを取り巻く問題が複雑化し、低年齢化していることから、心身の発達が著しい小学校にも常勤のカウンセラーが不可欠と判断した。臨床心理士などを想定している。
児童の心のケアをめぐっては、文部科学省が予防的対処が必要として、公立小へのカウンセラー配置に伴う人件費を補助。08年度は全国約2万校のうち2700校に派遣され、09年度は3600校に増えると見込む。ただし、人材は足りず「いくつかの学校を掛け持ちしているケースが大半で、専属は非常にまれ」(同省児童生徒課)という。
全国の私立小175校が加入する日本私立小学校連合会(東京)は「小・中・高校と短大などを持つ学校法人にカウンセラーを1人配置した例はあるが、専属配置は聞いたことがない」としている。
西南学院の寺園喜基院長は「心身面で悩むのは子どもだけでなく、親も多いはずなので、保護者からの相談も受け付けてサポートする態勢を充実させたい」と話している。
=2009/01/31付 西日本新聞夕刊=