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松本で転落死 厚労省が製薬会社に注意喚起徹底指示

1月30日(金)

 松本市の市営住宅で27日、公立高校2年の男子生徒(17)が自宅ベランダから転落して死亡しているのが見つかった事故で、インフルエンザに感染していたこの生徒が治療薬リレンザの処方を受けていたことが29日、分かった。生徒がリレンザを服用したかどうかは不明。

 別の治療薬タミフルが効かないインフルエンザウイルスが全国に広がり、今後リレンザの処方が増えるとみられるため、厚生労働省は同日、服用開始から最低2日間は患者から目を離さないことなど、事故防止の注意喚起を徹底するよう製薬販売会社各社に指示した。

 厚労省によると、リレンザは吸入型の薬で、体内でウイルスの増殖を抑える効果があり、タミフルが効かない耐性ウイルスに対しても効果があるという。ただ、2002年の販売開始から昨年3月末までに、服用後、走り回ったり、うわ言を言うなどの異常行動が計57件、同省に報告されている。死亡例はないという。

 生徒を診察した松本市内の医院によると、生徒は26日午前に母親と来院。38度以上の高熱とせきなどの症状があり、検査したところインフルエンザに感染していることが判明、医院では5日分のリレンザを処方した。母親には安静にし、1人で外出させないことや、家に1人の状態にしないよう話したという。生徒は、インフルエンザの症状以外に特に変わった様子は見られなかったという。

 服薬していなくても、インフルエンザそのもので異常行動を起こすことがあるとされ、同医院も「リレンザが今回の事故と関係があるかは分からない」としている。

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