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3児死亡事故控訴審:「2人の子を抱えて沈む夫か、社中に残された子か、恐ろしい選択」 両親、涙ながらに意見陳述

意見陳述を前に福岡高裁に入る大上哲央さん(左)と妻のかおりさん=福岡市中央区で2009年1月30日午前9時51分、矢頭智剛撮影
意見陳述を前に福岡高裁に入る大上哲央さん(左)と妻のかおりさん=福岡市中央区で2009年1月30日午前9時51分、矢頭智剛撮影

 福岡市の3児死亡事故で危険運転致死傷罪などに問われ、1審・福岡地裁で業務上過失致死傷罪などが適用され懲役7年6月(求刑・懲役25年)を言い渡された元市職員、今林大被告(24)の控訴審第4回公判が30日、福岡高裁(陶山博生裁判長)であった。両親が意見陳述し、母親が「2人の子供を抱えながら海中に沈んでいく夫と、車中に残された子供のどちらかという、恐ろしい選択に直面した」などと、事故直後の状況を生々しく語った。

 両親は大上哲央(あきお)さん(35)とかおりさん(32)。2人は「過失ではなく殺人行為そのものだ」などと、量刑が重い危険運転致死傷罪の適用を求めた。

 今林被告側が哲央さんの居眠り運転などを主張していることに対して、哲央さんは「断じてそのようなことはなく、その主張のせいで心ない人から中傷を受けた」と訴えた。国内での平穏な生活を奪われた結果、現在は海外で暮らしていることを明かし「私たちが求めることは、あなたが、犯した罪を認めることです」と語った。

 かおりさんは「(事故当時は)夫婦で七五三の話をしていた」と哲央さんの居眠り運転を否定。救出時については、車中に残った子供の救出をあきらめざるを得なかった当時の心境を、涙を流しながら振り返った。3児の生前の姿を子守歌を交えながら語ると、廷内からは傍聴者のすすり泣く声も聞こえた。

 意見陳述後、検察側も最終弁論し「1審判決の脇見運転には事実誤認がある」などと、量刑が重い危険運転致死傷罪の適用を求めた。【松本光央】

2009年1月30日

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