(2月13日号)「「梅に桜」の地球がこわい」 
「蕎麦春秋」(4月24日第1号発刊)の取材で長野市に行ってきました。「JRでいくそばどころ」の初回です。戸隠にも足を伸ばし、上山田温泉で泊まりました。
2日目の最後に訪れたのは長野駅から10分くらいのバスセンター地下の「草笛」。とにかくそばの盛りが多い。小盛で、通常の大盛。中盛で大盛の1.5倍、大盛はそばが小山のように盛り上がって通常の3倍はあります。私は小盛でしたが、同行の30代の青年は大盛に挑戦しました。やっと食べ終わって深いため息ををついていました。連日のそば、最後が超大盛りですから、いくら好きでも「もういい」という感じだったのでしょう。「草笛」は小諸が本店ですが、盛が大きいからといって味はいい加減ではありません。社長は「そばの文学」にも熱心で、店の入口にはそばの俳句、短歌を投句する箱があります。
信州そばといっても、産地は北海道が多いのは残念です。東京に近い利があるので、どうしても経済的効率のよい野菜や果樹をつくって、そばに移行しないのでしょうね。長野産の本来の信州そばは新そばの時期くらいです。年中、供給する生産量がないのですねぇ。
信州も暖冬で戸隠には薄い雨しかありませんでした。スキー場はやっていましたが、いつもは白一色の中社付近も道路の両脇に10数センチ積もっているくらい。アメリカでは民主党が地球温暖化に対するブッシュ政府の怠慢を批判する声が強く、大統領選挙の重要なテーマになるといわれています。イラクよりも、こちら がはるかに大事なのに、確かに手抜きでした。車社会の修正がきかない、修正したら経済が失速するからですか。明日はアル・ゴアの「不都合な真実」を見てきます。クリントンの副大統領だったゴアが、もし大統領になっていたらアメリカはかなりちがっていたでしょう。日本にゴアはいるか?小泉さんは再登板ありとかいわれていますが、環境への伝道師になったら…。真の拍手喝采が巻き起こるでしょう。政治家の晩年としては最高だと思います。
ことしの異常気象は世界的のようですから、ブッシュもプーチンもコキントーも少しは動かねば。車の見直しとエネルギーの転換、これしかありません。ことしは地球温暖化防止サミットにしたらどうですか。車の免許を持っていないからいうのですが、大臣や企業の社長さん、車の送り迎えはやめて、電車通勤すること。1人しか乗っていない車はみんなから白い目でみられて、肩身がせまいという国にしないと温暖化はとまりません。
今年の夏は水不足が心配です。姉と妹の2人の娘をカサ屋さんと運動グツ屋さんに嫁がせた男が雨が降れば運動グツが売れないと嘆き、晴れだとカサが売れないと嘆き、四六時中心配していたという話がありますが、冬が暖かいのは喜んではおれません。暑いときは暑く、寒いときは寒い。梅の木に梅が咲くのが自然で、梅の木に桜の花が咲くのは危険です。いまの地球は「梅に桜」になりかかっている。みんなで行動を起こしましょう
【2007/02/13 Tue 14:11 】 | 四方洋のコラム | comment(6) | trackback(0) |
(2月6日号)「テレビ1局:消えても影響なし」 
ネイチャースクール「花嫁街道」地元と東京のスタッフのみなさん、お疲れさんでした。「歩く」と約束していた私が不参加で申し訳ありませんでした。今回も少人数だったときいていますが理由は事前のPR不足。計画スケジュールが確定するのに時間がかかり、じっくり準備に取り組めなかったのが敗因だったと思います。細部の計画が2ヶ月前、せめて1ヵ月半前にはあがってこないと広報作戦は成功しません。はっきりいって合併後、うまくいかない。大所帯になったし、担当がだれか明確ではなくなった。町の時代に比べ市の時代になってぼやけたということでしょう。推進役も担当者も「だれか」がはっきりしていないのです。これ、グリーンツーリズムの問題点だと思います。行政をパートナーとするかぎり、担当がどこかへ移ってしまうのはよくあることです。南房総市を責めるわけではありません。だれかの責任をいうのではなく、都市農村交流の難しさをいいたいのです。個人がいくら努力しても、日本全体の流れが都市へ、東京へとなると、さからっていくのがいかにも難しい。私たちの正論が、逆流から本流となることを期するのみです。
関西テレビ(東京ではフジテレビ)のねつ造など民放テレビのいい加減さには腹が立つばかりですが、今週はNHKテレビのすばらしい番組に心洗われました。
4泊5日のバリ島ホリデイから帰ってきて、久しぶりにテレビを見たせいかもしれません。1つは2月4日教育テレビで放映 の「日曜美術館」画家三橋節子の特集、もう1つは2月5日夜10時からの「トップファミリー」の特集です。トップファミリーは映画「サウンドオブミュージック」の題材となった一家ですが、映画以降を、いまに生きる二女、マリアを通じて描いたところがすばらしい。この2本を見て、テレビはなんといってもヒューマンドキュメントなんだと思います。つくりものではない。人間がひたむきに生きた記録こそ、と実感します。
私は雑誌のコラムで免許事業であるテレビ局が不正を犯しながら「放映停止」にならない不公平を書きました。民放5局とNHK、7つも電波が乱れ飛んでいる東京で民放の1局が業務停止処分を受けたって、視聴者になんの不便も、不利益もありません。1局永久に消えたって、視聴者には痛くもかゆくもないのです。つぎつぎと出てくるねつ造に、総務省は「3日間、一切の放映禁止」くらいの処分をしてもいい。絶対にそうならないのは監督官庁と局の間に、余程の親密な関係でもあるのですか。
私はテレビであれだけ日本道路公団を叩いて解体までもっていった猪瀬直樹さんに徹底的なテレビ局、とくにフジ-関西テレビの批判、追及をやってもらいたい。国の保護という点では高速道路も、電波もおなじでしょ。まずカイよりはじめよ。国民共有の電波の上にぬくぬくとあぐらをかいて、他者のみを評論するのは許されませんぞ。
【2007/02/06 Tue 12:20 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(1月30日号)「テレビのねつ造体質」 
先週はめんウイークでした。銀座に稲庭うどんの店「佐藤養助」がオープン、招かれて食べてきました。稲庭うどんは何ヶ所もあるそうですが、この佐藤家は古いですね。工場長が打つところを実演しましたが、延ばし方が芸術です。一人前にやれるまで10年かかるといいますが稲庭うどんは人の手がつくる芸術、伝承が命ですね。「水のコブ」が出ましたが、秋田独得の山菜です。お酒のつまみによさそうですが、昼間だったのでお酒はなめただけ、夜こなければダメですね。もちろんキリタンポもあって社長さんは「秋田を発信する」といっていました。 稲庭うどんを食べた翌日、光が丘の大久保さんから「自分の打ったそばを食べないか」とのお誘い。昼、行ってきました。大久保さんは印刷インキの技術者で、この経験を生かして家庭で打てる10割そばを考案しています。なぜそんな簡単に10割が打てるか。1つは水にあり、まぜる道具にあり、延ばしの板にあります。大久保さんは試行錯誤をくり返し型をつくりました。大久保式と名づけるそば打ちの特徴は1.10割であること、1.力がいらないこと、1.少量で無駄がないことなどです。老夫妻が2人分打つというのもOK、女性が1人分打つのも可能です。大げさでなく、ヒョイと打てるのです。大久保さんは10分くらいで切るところまで完成、ゆでてざるそばをご馳走してくれました。このやり方は「蕎麦春秋」で紹介します。 関西テレビの「あるある…」はつぎつぎねつ造が出てきますね。まさに「ねつ造があるある」です。 このニュースをきいて思い出すことがあります。フジテレビか日本テレビだったと思いますが、記者クラブの特集を企画、私のところにコメントをとりにきました。記者クラブは「確かにおかしなこともあるが、プラスもあるんだよ」とはなしをしましたが、私としてはメリットの方に重点をおき、30分のうち25分はそっちの話で終わりました。「記者クラブはよくない」というのは5分程度、全体の6分の1だったのですが、放映されたのはその6分の1の半分くらい。全篇記者クラブなんかやめてしまえの論でした。もともと企画が記者クラブ有害でした。私ははめられた、と思いました。30分話をしたのに使われたのは2−3分、しかも記者クラブ有害のところだけ、有用を25分以上話しているのに、ほんの2−3分の逆の論を使われたのです。私は講義しませんでした。若い大学生のような、下請けのまた下請けの若者が取材にきたので、追及する気にならなっかった。しかし、いま思えば「あるある…」のねつ造の根本はここにあったのですねえ。テレビはいけません。とくにキー局は許せません。彼ら、彼女らは無茶苦茶をしています。猪瀬直樹という評論家、彼だってフジテレビに出ているので、今度の問題を批判しないでしょう。あれだけ道路公団を叩いたくせに卑怯です。今度の方がはるかに悪質ではありませんか。高速道路でいえば舗装を10センチやるべきところを2センチですませてあざむいたようなものです。猪瀬氏よ、卑怯といわれて怒るなら関西テレビ、フジテレビをとことん批判してみろ!。
【2007/01/30 Tue 18:35 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(1月23日号)「テレビ界の構造が生んだねつ造」 
フジテレビ系の「あるある大事典」は見たことはありませんが、ねつ造とはひどいですね。そもそも「〇〇が効く」というのをテレビが安易に流しすぎです。日本テレビ系のみのもんたの「おもいっきりテレビ」で「ココアが身体によい」と放送して、ココアが売れに売れたことがありますが、このブームはすぐに下火になりました。テレビは短いフレーズで人に訴えるメディアですし、影響力が大きいですから誤解を与えやすいのです。なのにすごく安易に情報を流す。こんな番組に振りまわされるのはやめたらどうですか。
「納豆でやせる!」の番組をつくったのは関西テレビですが、ねつ造の背景には制作の二重構造三重構造の問題がありますね。今度の場合は関西テレビがテレワークにおりて、さらに9つの会社に発注されていたということです。よく建設業の下請がヤリ玉にあがりますが、テレビ局はもっとひどい。しかも社員はベラボーに高給をはんでいますが、下にいくほど恐ろしく安い。ワーキングプアーがウヨウヨいるのがテレビの世界です。そんな状況に目をつぶって、自局の番組で「格差社会をなんとかしなければ」といっています。こういうことをいうコメンテーターは当のテレビの問題を例にあげて追求すればよいのです。モデルはテレビ局の番組づくりの構造です。週刊誌のにも社員と下請けのライターの問題があります。テレビ局ほど複雑ではないし格差はひどくありませんが…。
「IBC」のころ何度か週刊誌の記者の取材を受けたことがありますが、フリーのライターの場合は決めてかかってき た、テーマがその通りでなくても強引に記事にします。時間をかけた以上、製品にしないと食っていけないからです。その点社員の場合は月給で保証されていますから、危ない橋は渡りません。間違っていたら記事にはしないのです。今度の関西テレビの一件は、下請けの下請けがなにがなんでも製品にしなければ、という思いが強く「ストーリー通りにやらなければ」とムリをしたのだと思います。正しくテレビ業界の構造が生んだねつ造でしょう。
テレビは免許制度ですが、こんなことをしても免許が取り消されることはありません。関係者を処分すれば終わりです。同じようにモラルやルールスレスレの番組をつくり、視聴率が高ければ「勝った、勝った」です。数字こそすべての世界に反省などありませんから。
野球の全日本代表監督に星野仙一さんが決まりました。今度は枠を設けず自由に選手をとってドリームチームをつくることができるそうですから、ひと足早く選んでみました。投手 松阪、捕手 城島、一塁 松中、二塁 井口、三塁 岩村、遊撃 井端、右翼 松井、中堅 イチロー、左翼 青木、DH 福留。豪華布陣で文句無いと思いますが、星野さんが国際試合にふさわしい監督かどうか、王さんのようにみんなを一致結束させるカリスマ性に欠けますね。選手を鍛えるのには星野タイプがいいでしょうが、でき上がった一流をうまく使うのは得手とは思いません。むしろ落合さんあたりがいい。それにしても王さんほどぴったりの人はいませんねぇ。王さんにはコミッショナーをやってほしい。
【2007/01/23 Tue 18:32 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(1月16日号)「「蕎麦春秋」は春秋に富む」 
賀状には4月下旬、季刊で「日本蕎麦」を出すとごあいさつしましたが、期日が4月24日と決まりタイトルは「蕎麦春秋」と改めました。春秋の方が書店で売る雑誌らしいというのが理由です。別に文芸春秋にあやかったわけではありません。発行を引き受けてくれたリベラルタイム社渡辺美喜男社長の提案で「雑誌らしいという」という直感です。編集をになう私も同感。「日本蕎麦」は日本を発信する言葉としてふさわしいと思いましたが、やや機関説的な響きがあります。春秋は未来が開けているようだし季節感に富んでる。蕎麦という食材に似合う。よって「蕎麦春秋」にした次第です。
いろんな企画を考えていますが、1つはJRとのタイアップで鉄道沿線のそばどころ(店)を訪ねるもの、第1号では長野新幹線に乗って長野を1泊2日で旅する企画を考えています。もう1つはそばもおいしい旅館の紹介。この旅館は温泉つきが多いですし、最近は「温泉地にそば屋あり」でおいしいそばがあります。恐らく旅と宿とお湯とそばの企画になるでしょう。最近の食の雑誌は豪華です。おいしそうな料理がきれいな写真で表現されています。確かに美味をにじみ出す工夫は必要ですが、料理を作り出すのは人間です。「蕎麦春秋」は人間のナマの人生がふんだんに登場する雑誌にしようと思います。おそば屋さんに入って「このそばはどんな人が、どのように打っているのか」に焦点を当てます。ニュースの基本である「5W1H」の中では「Who?」に重きをおきます。蕎麦好きはもちろん、そうでない人も蕎麦を食べたくなる雑誌にします。ご期待ください。
「不二家」の事件にはたまげましたねぇ。食品業界の人間なら雪印のケースは知らないはずがなく、教訓とすべきなのに同じことをやってしまった。しかも「雪印のようになっては困るので公表しないように」と会社が方針を決めていたとは。不二家は結局藤井商店を越えていなかったのですね。記者会見に出てきた社長、常務を見ても篤実そうな人柄だろうと想像できますが、いまの情報社会に通じた広報マンが見当たりません。側に「広報」が必要で、トップは「広報」役に耳を傾ける度量がなければいけません。恐らく「ペコちゃんよさようなら」になりぼう大な土地を繁華街に持っているという不動産価値が評価されて、外資の投資会社に買われるのがオチでは?
ネイチャースクール2月3日(土)〜4日(日)の1泊2日「花嫁ハイキング」ですが、3日は和田の県立拓心高校で「体験学習」です。「楽習」と書いた方がぴったりの楽しい授業です。参加をお待ちしています。
【2007/01/16 Tue 09:00 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
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