入団会見では梨田監督（左）の前で謙虚さを見せていた二岡。１軍帯同の荒療治はいかに（クリックで拡大）

　不倫騒動で巨人から放逐され、今オフに日本ハムにトレード移籍した二岡智宏内野手（３２）。新天地での春季キャンプは絶好のアピールの場となるが、見切り発車の１軍帯同は不安がいっぱいだ。南の島で新たな自分を発見できるか。

　日本ハムは２７日、来月１日から始まる春季キャンプの参加者を発表。二岡は沖縄・名護で行われる１軍キャンプのメンバーに名を連ねたが、華麗なスタートは切れそうにない。昨季の開幕戦で発症した右ふくらはぎ肉離れがいまだ全快せず、首脳陣も別メニューでゆっくり調整させる方針だ。

　梨田監督は「二岡は体とトレーナーと相談しながら。（移籍で）来てすぐだとハッスルしてしまうけど、ふくらはぎの肉離れは怖い。こっちから先にペースを落とすよう、コーチやトレーナーに言ってある」と話す。

　故障者は１軍で熾烈な競争をさせるより、２軍で焦らずリハビリさせたいところ。だが梨田監督は“転校生”の二岡には「いろんな選手とコミュニケーションを取りながら」やってほしいとの考えだ。二岡には正遊撃手の期待もあり、特にコンビを組む正二塁手「（田中）賢介とも話できる」（同）意義は大きい。

　二岡は今オフ、巨人ではご法度だった金髪や茶髪に変身し、外見は日本ハムに染まりつつある。だがここまで自主トレは秘密主義で貫かれ、新しいチームメートとの交流は進んでいない。二岡と一緒に移籍してきた林が「まずは野球より友達づくり」と千葉・鎌ヶ谷の球団施設を訪れ、ダルビッシュら初対面の選手と汗を流す姿勢とは対照的だ。首脳陣の思惑通り、チームに溶け込めるか。

　また、巨人時代は「シャイだから」とファンとの交流を怠ってきたが、「ファンサービス・ファースト」を掲げる日本ハムでは、真摯なサイン対応やイベント出演など、プロ１１年目でのキャラ換えを迫られる。観客が格段に少ない２軍スタートなら負担も少ないだろうが、球団関係者は「さすがに二岡も、今の自分の立場は分かっているはず」と自覚を促し、あえて１軍で荒療治する。

　火遊び相手のタレント、山本モナ（３２）は謹慎を解かれ、２０日にラジオに出演、３０日にはテレビにも出演と復帰の道を着々と歩む。好奇の目に負けず、明るく図太く表舞台に帰ってくる姿には、二岡も学ぶところがあるだろう。