県内ニュースサワラの腹からフグ 山形の釣り人、庄内で見つける
2008年12月31日 14:38
釣り上げたサワラの腹から、10匹近いフグが出てきた
問題提起となるサワラを釣ったのは、山形市桜町の会社社長朝倉寛明さん(40)。今月4日、鶴岡市の加茂水族館そばの磯で体長65センチほどのサワラを釣り上げた。釣り餌の参考にするため、何を食べているのか調べようとサワラの腹を裂くと、体長5−6センチのフグ約10匹が出てきた。 自身が運営する、釣り情報を掲載するホームページ「旬魚釣行(しゅんぎょちょうこう)web」で紹介したところ、県内の愛好家2人からも「釣ったサワラの腹からフグが出てきた」という情報が寄せられたという。中には「アジを追うはずのアオリイカがフグを追い掛けていた」などの目撃情報もあった。 このニュースを聞いた村上館長は「魚もそうだが、鳥も犬も、フグを間違って口にしてもすぐ吐き出す。魚がフグを食べたなんて、聞いたことがない」と驚く。その後、魚がフグを食べるかどうか実験してみたが、口に入れてやっても、やはりすぐに吐き出してしまったという。 今年、庄内の磯辺では、大量のフグが確認されており、その数は磯釣りの“障害”になるほど。釣り人の間からは「餌が水面を覆ったフグの背中に乗ってしまった」「フグが邪魔で釣りたい魚の深さまで餌が届かない」などの声が出ていた。餌になるほかの魚が少なかったためフグを食べたり、大量にいるためうっかり食べてしまった可能性もあるが、真相はサワラに聞いてみないと分からない状況だ。 一方、魚が食べたのが毒性のあるフグだった場合、その魚を食べても安全なのか、という疑問の声も上がっている。村上館長によると、朝倉さんが釣ったサワラから出てきたのは、形状などから肝臓、卵巣は強毒ながら皮膚は弱毒、筋肉は無毒のゴマフグと推定される。食用としても出回っている種類だ。 県食品安全対策課によると、フグを食べた魚を食べたことによる食中毒の事例は「聞いたことがない」というが、フグを食べた魚が毒化するかどうかは不明。東北大大学院でフグ毒などの研究をしている山下まり教授も「フグの毒が、それを食べた魚の体内に吸収されるかどうかは、過去に実験を行ったなどの例がないためはっきりとは回答できない」と話していた。
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