25日投開票が行われた山形県知事選で、新人の吉村美栄子さん(57)が当選し、東北で初めての女性知事が誕生した。
山形市の事務所では、オバマ米大統領のスローガンを借りた「チェンジ!やまがた」のバッジをつけた女性支持者たちが、「東北に女性知事が誕生するなんて、夢にも思わなかった」と喜び合った。
午後10時半頃、当選確実の報が入ると、歓声がわき上がった。吉村さんは「山形の県民は画期的な選択をしてくれた。心の通う県政を求めていると実感した」。山形市で洋裁教室を開く伊豆倉貴代美さん(66)は「暗い話題が多い中、華やかなイメージで山形の注目度がアップする。必ず山形を変えてくれる」と語った。
吉村さんは「リクルート」に勤め、26歳で長女を出産した後は山形市の夫の実家に。弁護士だった夫を12年前に病気で亡くしたが、行政書士の資格を生かして長女(31)、長男(25)を育て上げた。今は義父母と3人暮らし。
知的障害者のスポーツ大会でボランティアとして活躍する姿を目にとめた連合山形関係者らに口説かれ、出馬を決断した。
知名度に乏しいうえ、出馬表明が告示約40日前と出遅れ、逆境での選挙戦。17日には山形市で約800人を集めた女性集会を開き、政策をアピールした。