韓国はソフトウェアの墓場(下)
韓国の代表的なセキュリティープログラム・ソフトウェアメーカーの安哲秀(アン・チョルス)研究所は319位、企業向けソフトウェアメーカーのTマックスソフト社は370位にすぎない。また、世界のソフトウェア市場で韓国市場の占める割合は2007年現在でわずか1.1%だ。
一方、優秀な人材もソフトウェア分野に目を背けている。ソウル大コンピューター工学部の場合、定員が42人とここ3-4年で半数に減った。韓国科学技術院(KAIST)などほかの有名大学においても同様だ。また優秀な卒業生は、法科大学院(ロースクール)などほかの分野に進む傾向が著しくなっている。
専門家らは、ソフトウェア産業に対する認識不足と、タダ同然の落札方式に依存する時代遅れの事業構造がソフトウェア産業の発展を阻んでいると指摘する。政府が発注事業者を選定する際、入札価格の占める割合を下げ続けており、これがいまだに絶対的な選定基準となっている。民間業者の場合も同様だ。
あるソフトウェア企業の役員は「政府や民間企業にソフトウェアの専門家がいないため、建設の受注のように技術力よりも人件費を基準に受注価格を算定する」と話した。特に、ソフトウェア人材の能力を経歴で評価するため、プロジェクトに参加するベテラン社員が増えるほど受注価格が上昇する、というあきれた現象が起こっている。
安哲秀研究所の安哲秀議長は「このような構造の中で、大企業から下請けをする中小企業は、利益がほとんど上げられない。中小企業が人件費に汲々としている状況では、優れた人材が集まるはずはなく、革新も起こらない」と語った。
また、著作権に対する低い認識も改善すべき対象だ。事務用ソフトウェア連合が昨年、世界108カ国の違法コピーの現状を調査した結果、韓国は違法コピー率が43%で、被害額は5億4900万ドル(約492億円)に達していたことが分かった。韓国の違法コピー率は過去に比べかなり改善されたものの、依然として世界平均(38%)よりも高い。このため、世界2位のゲームメーカー、アクティビジョンは先月韓国支社を閉鎖した。
韓国ソフトウェア著作権協会のキム・ジウク副会長は「国内市場では事実上、家庭用ソフトウェア市場は存在しない。違法コピーのフリーソフトがネット上で容易に手に入るため、韓国でのソフトウェア実感価格は0ウォン」と述べた。
チョ・ヒョンレ記者
チョン・ジニョン記者
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