尼崎医療生協病院(尼崎市)で昨年12月、肝硬変で入院していた同市内の女性=当時(35)=が針で腹水を抜く際、血管を傷つけられ、死亡した事故の遺族が14日、同市役所で会見を開いた。事故発覚後、病院側が「医療過誤とは判断しない」とコメントしたことに対し、遺族らは「ミスがあったと謝罪したではないか。どうしてそんなことを言うのか」と痛烈に批判した。
遺族らによると、病院側はこれまでに2度、遺族宅を訪問し、ミスを認めて謝罪。しかし、事故発覚後の今月8日に行った会見では「ミスではない」と従来の説明を覆した。
女性の姉(41)は「主治医と研修医は誤って血管を傷つけ、出血が止まらず死亡したと認めていた。病院は『誠意をもって対応する』といっていたが、誠意の形がこんな形だとは」と語気を強めた。
また、母親(65)も「入院中も主治医は娘をほとんど診ていなかったし、病院に対しての不信感は募るばかり。病院はこの無念さを受け止めて、しっかりとミスを認め、謝罪してほしい」と訴えた。
事故は昨年12月4日に発生。研修医が針(直径1.7ミリ)を女性の腹部に刺し、腹水を抜く治療を行った後、出血が止まらなくなるなど女性の容体が急変。同16日に出血性ショックで亡くなった。
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