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ピンチにチャンスを見いだす国:日本の環境産業構想とは

国境を越えたリサイクルを推進、リーテム

 東京・千代田区に本社がある株式会社リーテム。昨年7月に天皇陛下が視察したことで有名になったリサイクル企業だ。記者が訪問したとき、中島賢一会長は、部外秘ながらも興味深い資料を一つ見せてくれた。

 「国際資源循環管理プロジェクト」。日本の経済産業省とリサイクル業界各社が参加する官・民合同の環境産業構想だったが、その中にあった「日中資源循環」という項目が記者の目をぐっと引き付けた。日本国内に比べ処理費用がはるかに安い中国に送った産業廃棄物にバーコードを付け、衛星利用測位システム(GPS)で追跡し、廃棄物がきちんと処理されたかどうか確認しようというものだ。

 中島会長は「中国がきちんとできなければ、再び日本に持ってこようということだ。環境問題では国境を越えたリサイクルが欠かせない、というのがその理由」と語った。

 20世紀には世界最大の工業国だった日本が、21世紀には環境大国を目指し、すさまじい勢いで突進している。2002年に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開かれた環境サミットには参加180カ国中最大規模となる500人余りを送り込み、出張費だけでも4億円に達した。

 日本は今、中国だけでなくポーランド・ウクライナ・ロシアなどとの間で11件の共同履行制度(他国の環境事業に投資すれば自国の努力と認めてもらえる制度)を作り、温室効果ガスの削減を国際的に進めている。

 興味深い政策も登場した。例えば、温室効果ガスの出所を把握するカーボンフットプリント制度。商品を作るに当たり排出される二酸化炭素の量を製品に表示するよう義務化する制度を、今年4月から導入する予定だ。

 こうした日本の産業循環型経済戦略は、「産業の入り口(生産)から出口(リサイクル)まで責任を持つ経済」というスローガンに集約される。

東京=李仁烈(イ・インヨル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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