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ピンチにチャンスを見いだす国:「環境大国」日本(下)

環業革命-日本の「リサイクル都市」北九州

◆1トンの廃家電、捨てるのは40キロだけ

 エコタウンに入居している家電製品の解体・リサイクル専門業者「西日本家電リサイクル」は、資本金4億円の小さな企業だが、大株主は華やかだ。ソニー、パナソニック、日立、三洋電機など日本の8大家電メーカーが揃っている。東芝出身の河村豊工場長は「2011年に日本で地上波デジタル放送が始まれば、1億台のアナログテレビがリサイクル市場に出回る」と言い、市場は無限だと語った。

 同社は150人の家電解体技術者を擁し、テレビ(24万台)、冷蔵庫(24万台)、エアコン(10万台)、洗濯機(14万台)など年間合わせて72万台の家電製品を解体し、リサイクル率は96%に達する。1トンの廃家電のうち、捨てる部分は40キロに過ぎない。どうすればこんなことが可能なのか。

 会社側は、冷蔵庫の解体ラインに記者を案内してくれた。フロンガスなどを慎重に取り除いた後、本体を1次せん断式破砕機・2次せん段式破砕機にかけ、粉砕する。続いて向かうのは、風力選別機。風を使って、比重が軽いウレタンなどの物質を取り除く過程だ。

 ここを過ぎると、今度は磁石が待っている。残っている鉄が磁石にくっ付き、分離される。これを終えると、今度は非鉄選別機が現れ、磁石に反応しない銅やアルミといった非鉄金属が取り除かれる。この過程を経た後、もう一度磁石による検査がある。ここで、鉄やごみなどが分離される。分離された金属はリサイクル業者に送られる。

 その後に残るのはプラスチック。比重によって区分され始める。まずは、水よりも比重が軽い発泡ポリウレタン(比重0.8)・ポリプロピレン・AS樹脂(0.94)などと、水より重いポリスチレン・ABS(1.05)などが浮力によって選別される。

 こうした過程を経て、この会社からは年間5500万トンのプラスチックがリサイクルされる。これはまさに、未来の金だ。

北九州=李仁烈(イ・インヨル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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