ピンチにチャンスを見いだす国:「環境大国」日本(上)
環業革命-日本の「リサイクル都市」北九州
- 工場から出る煙などで一時は「死の都市」と呼ばれた北九州が、青い空の親環境都市へと変身した。/写真=李仁烈(イ・インヨル)記者(北九州)
しかし環境汚染の危機の中から、新しい未来型の富を創出する機会を得ることに成功した。今この都市は、テレビであれ自動車であれ、どんな製品でも廃棄物の排出量を0%とする「ゼロ・エミッション(排出量ゼロ)」社会を作ることを目指している。あらゆる資源を一かけらも廃棄することなく、100%リサイクルしようという話だ。
資源が寸分の誤差なく再生・循環すれば、文字通り「環境ユートピア」になるというわけだ。しかし、北九州市が推進する「環業革命(環境による産業革命)」は既に現実となっている。20世紀型の「動脈(生産)の都市」は21世紀型の「静脈(リサイクル)の都市」に変身し、環境で金を稼いでいる。
◆逆に動くベルトコンベヤー
町のあちこちに工場の煙突が見えたが、空はアルプスの山裾のように青く、浜辺にある風力発電所の10基余りの白い風車は保養地を連想させた。
北九州市西部の「エコタウン」にある吉川工業。ここでは、ベルトコンベヤーが「逆に」動いていた。工場の前に2層・3層に積み重ねられた500台余りの中古車。その中古車の列を通り抜け工場内部へと入っていくと、ベルトコンベヤーの上に自動車が載っていた。車をよく見ると、組み立てられているのではなく、解体されていた。
ベルトコンベヤーに載せられたトヨタの白いクラウンが、段階を経るごとにみすぼらしくなっていく。まずタイヤを外した後、エアバッグとフロンガスが取り除かれる。さらに燃料や冷却水、エンジンオイルが取り除かれ、赤いクレーンのロボットアームが部品をはぎ取った。バッテリーなどの部品が一つ一つ取り除かれ、ガラスも外された。ラインの両側は、各種の部品から出たネジやボルトなどが入ったボックスであふれていた。
部品を全て取り除かれた車体が、最後に棺のような空間に入れられると、巨大なプレス機が棺のふたのように上から5秒ほど押した。続いて上下左右から圧縮すると、縦・横・高さが1メートル程度の鉄のかたまりが誕生する。
純粋な解体の過程だけなら、わずか8分30秒で解体が完了する。一つのラインで一日に6人が働き、45台を完全に解体できる。解体された部品や鉄くずは部品店や製鉄所に送られ、新しく生まれ変わる。1トンの自動車を解体して、捨ててしまう部分は約10キロに過ぎず、リサイクル率は99%を誇る。
北九州=李仁烈(イ・インヨル)記者
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