江東女性殺害:星島被告に死刑求刑 東京地裁公判

2009年1月26日 11時19分 更新:1月26日 12時19分

現場マンション前で報道陣の取材に応じる星島貴徳被告=東京都江東区で2008年4月19日、村上尊一撮影
現場マンション前で報道陣の取材に応じる星島貴徳被告=東京都江東区で2008年4月19日、村上尊一撮影

 東京都江東区のマンションで昨年4月、会社員の東城瑠理香(とうじょうるりか)さん(当時23歳)を殺害したとして、殺人や死体損壊などの罪に問われた元派遣社員、星島貴徳被告(34)の公判が26日、東京地裁(平出喜一裁判長)であり、検察側は死刑を求刑した。星島被告は最終意見陳述で「一日も早く死刑にしてください」と述べ、傍聴席の遺族に向かって「申し訳ありません」と頭を下げた。判決は2月18日。

 論告で検察側は「未来のある若い女性の存在を消し去った過去に類のない悪質な犯行」と非難。「最も安全で安心なはずの自室で女性が襲われ、姿を消したこの事件が社会や1人暮らしの女性に与えた衝撃は軽視できない。被害者が1人で殺害に計画性がない事件でも、判例は死刑を選択してきた。死刑を回避すべき事情はない」と述べた。

 弁護側は最終弁論で「起訴内容をすべて認め、反省もしている。法廷では、検察からの厳しい質問に偽ることもなく、弁解することもなく、答えてきた。過去の判例と比べても死刑にしなければ正義に反するとは思えない」と述べ、無期懲役が相当だと訴えた。

 最後に意見陳述した星島被告は「謝っても謝っても気持ちが治まりません。やはり死刑でおわびさせていただくしかないと思います。どうしてこんなひどいことをしたのか」などと語った。

 起訴状によると、星島被告は昨年4月18日、東城さん方にわいせつ目的で侵入。包丁を突きつけるなどして東城さんを自分の部屋に連れ込み、包丁で首を刺して失血死させた。遺体はのこぎりや包丁で細かく砕き、水洗トイレに流したり、ごみ置き場に捨てるなどしたとされる。【伊藤一郎、銭場裕司】

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