研究開発本部 第二開発部 ポータル機能開発セクション
【藤田 俊】
プログラミング言語の構造に興味があったことから、自らの知識も織り交ぜて、技術者視点での「ニコスクリプト」の仕様の提案や「ニコスクリプト」の中核を成す「スクリプトエンジン」の開発を担当。
企画制作側から依頼を受けた技術者達は、「せっかくの面白い機能だからこそ、この仕様をベースに様々なゲームを作れるように、汎用的な記述方法にしてみてはどうか」と考え、技術者視点で企画内容、仕様書、記述方法を見直した。その結果、プログラミング言語に近いスクリプト(※)をコメントとして記述できる発想が生まれた。
しかし、スクリプト言語そのものを開発することは一般的には難しく、志賀1人がメインとなって開発するには作業量が非常に大きすぎた。
そこで、言語の仕組みについて個人的に興味を持っていた【藤田】が「僕がやります!」と名乗りを上げた。藤田が言語に関する知識が豊富であることを知っていた戀塚は、「彼ならできる」と推薦。新たに藤田がプロジェクトに加わることとなった。
まずは、技術者だけで時間をかけて言語使用について話し合いの場が何度もセッティングされた。話し合いを重ねるうちに、いつの間にか「ニコスクリプト」と技術者の間では名前がついていた。
誰もが使える機能というコンセプトは外せない
ヘビーユーザー向けの側面も持たせたい
(※)スクリプト:簡易的なプログラミング言語の総称
(※)ActionScript:Adobe Flash上で稼動するスクリプト言語
(※)JavaScript:Webブラウザ上で動作するスクリプト言語の一種
この両方を叶えようと、ライトユーザー向けに「ニコスクリプト」、ある程度のプログラミング知識を持つヘビーユーザー向けに「ニワン語」を新たに作り、2種類に書き方を分けた。
そこで、「ニコスクリプトをニワン語に変換して、変換されたり直接書き込まれたりしたニワン語をスクリプトエンジンが解析して、プレイヤが動画を再生する」という2段階構造にたどり着いた。
スクリプト仕様の基本指針として
スクリプトエンジンはActionScript(※)で記述し、クライアントサイドで実行させること
JavaScript(※)等の一般的なスクリプト言語に限りなく近い仕様で開発するように
という戀塚のアドバイスを柱に、藤田と志賀で細かい仕様を決めていった。
こうして技術主導で決まった構想を尾崎に伝え、合意を得ると、すぐに開発へと進むこととなった。