日本国籍の船舶や、日本の会社が運航する船舶が海賊に襲われたのは08年に12件だったと国土交通省が21日、発表した。前年より2件増加した。けが人はなく、ほとんどは積み荷の資材などを奪われる被害だった。
海賊被害が国際的に深刻になっているソマリア北方のアデン湾では3件。いずれも銃火器で船体に被弾し、追跡もされたが、ジグザグに航行するなどして逃げたという。
海域別ではほかに、東南アジア周辺が5件、インド周辺が2件、アデン湾をのぞくアフリカ周辺が2件となっている。日本人が乗船していたのはアデン湾で4月に被害を受けた1件だけだった。
国際海事局によると、世界全体では293件(前年比30件増)起きており、やはりアデン湾が92件と多く、前年より79件も増えている。
アデン湾は日本の商船にとっても重要な航路であるため、日本船主協会などは再三にわたり、政府に対して自衛隊艦船の派遣などの対策を要請。政府・与党は、自衛隊法に基づく海上警備行動として海上自衛隊をソマリア沖に派遣する方針。また海賊対策の新法案を3月上旬に国会に提出する意向も示している。