ニュース: 政治 RSS feed
【経済深層】大迷走の末、「定額給付金」“爆弾”破裂 (4/5ページ)
このニュースのトピックス:景気
決断をしたのは、当時幹事長だった麻生首相自身だ。さらに、所得税を払っていない低所得者が恩恵が受けられないことや減税だと来年度にずれ込むことなどに、与党内から異論が出され、ついには、景気対策ではなく、生活者対策と位置づけ、現金を直接、ばらまくことになったのだ。
迷走はまだまだ続く。麻生首相は「全世帯に支給する」と明言したが、その直後に、与謝野馨経済財政担当相がテレビ番組で、生活者対策なら高所得者を対象から外すべきだと発言した。信頼する与謝野氏の主張を受けて首相も所得制限の必要性へと傾くが、他の閣僚や所得確認を迫られる地方自治体の首長から総スカンをくらい、結局、「各市町村に任せる」と、“丸投げ”した。
その上、首相は給付金を受け取る高所得者について「さもしい」と発言し、自分は受け取らないことを表明。ところが、それでは景気浮揚効果がなくなると反論され、「消費できる余裕のある人は盛大に使ってもらうのがよい」と、あっさりと軌道修正した。
景気浮揚効果に疑問
もともと、給付金に大きな効果は期待できない。政府では、2兆円のうち、40%に相当する8000万円が貯金などにまわらずに消費に向かうと予測し、国内総生産(GDP)を0・2%押し上げると試算していた。