しかし昨年末からのサブプライムローンによる金融危機で不動産リートの資金繰りが悪化、さらにマンションデベロッパーなどの破綻で都内の不動産価格が下落。外資主導で急激に膨らんでいた東京都心の土地バブルが崩壊。地価が下落した。
「サンライズファイナンスは京品実業の60億円の債権を一説では30億円程度で買い取ったといいわれています。ところが都内の土地の下落で、路線価で50億円以上あるといわれている地価が暴落。債権の価格を下回ってしまったようで、サンライズファイナンスが動きが鈍くなった」(同)
LCホテルズへの売却も停滞しているという。そのような中で勃発したのがリーマンブラザーズの破綻だ。9月15日に米国のリーマンブラザーズ本社が破綻すると、今度は9月16日に日本法人が民事再生法を申請。子会社のサンライズファイナンスも破綻した。
10月20日には廃業と解雇が通告されたが、従業員は自主営業を続ける一方で、労働組合を結成、団体交渉を進めた。自主営業は10月31日の明け渡し時期が過ぎても続けているという。ちなみに京品実業が廃業したというのは廃業の手続きにはいったという意味。最終的にはすべての債権債務関係が整理できないと廃業できないという。
従業員は10月31日に廃業に伴う解雇が合理的な理由がないとして地位確認の訴訟を提訴した。自主営業はその後も続けているが、11月5日、会社側が立ち入り禁止の仮処分を申請した。この第一回審尋が11月17日16時から行なわれることになっている。
従業員側は「今後は事業を継続してくれるスポンサーを探し事業を継続していきたい」(同)と語っている。
果たして従業員によるホテル再建ができるのか、まだまだ目が離せない。
「会社破綻の現場」(講談社)
「闘う経営者」(実業之日本社)
「商売のしくみとしきたり」(日本実業出版社)
「教養として知っておきたい『昭和』の名経営者」(三笠書房)