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【日本の議論】「派遣村」にいたのは誰か? (5/6ページ)

2009.1.18 18:00
このニュースのトピックス日本の議論
派遣切りや解雇にあった人々に夕飯の年越し蕎麦を配る「年越し派遣村」のスタッフ=東京・日比谷公園=12月31日午後5時30分ごろ(中鉢久美子撮影)派遣切りや解雇にあった人々に夕飯の年越し蕎麦を配る「年越し派遣村」のスタッフ=東京・日比谷公園=12月31日午後5時30分ごろ(中鉢久美子撮影)

 ある厚労省幹部は「目の前の日比谷公園で、失業者が凍え死んだとなれば批判を浴びるどころか、内閣が吹っ飛んだかもしれない」と振り返る。

 実行委側が、会場にあえて日比谷公園を選んだ作戦が成功したわけだ。

厳しい世間の反応

 だが、派遣村の村民たちに対する世間の目は、同情や理解ばかりではなかった。政党やイデオロギー色が強くなるにつれて、反発や厳しい意見が目立つようになってきた。

 産経新聞のネットニュースMSN産経ニュースで、10日から派遣村に関する意見を募集したところ、9割方が村民に対して厳しい意見を寄せた。

 「貯金はしていなかったのか」「職の紹介を受けているのに、選り好みしている場合か」「ゴネ得ではないか」…。「最初は同情していたけど、だんだんできなくなった」という声もあった。

 坂本政務官の発言に理解を寄せる声も多く届いた。これについては12日の東京新聞で、同紙の投書欄担当者が「非難が相次ぐ一方で、一定の支持が集まった」と書いている。各新聞社とも、似たような読者反響を得たのだろう。

 その後、村民らは東京都が用意した都内4カ所の施設を出て、その後は実行委員会が用意した都内2カ所の旅館を拠点にしながら、生活の再建準備を進めている。宿泊費などは全国から集まった約4300万円のカンパや、すでに生活保護支給が決まった人はそこから拠出されている。

 都の施設を出た12日の時点で、村民は約170人。日比谷公園を出たときには約300人いたため、130人が巣立っていったことになる。この300人のうち、生活保護の受給が決まった人はこれまでに290人。申請者のほぼ全員に、しかも短期間に生活保護が認められるのは異例なことだ。実行委員会では「やる気になれば、今の法律の枠内で、生活再建の足がかりを得られることが分かったことは大きな成果」と意義を強調。

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派遣切りや解雇にあった人々に夕飯の年越し蕎麦を配る「年越し派遣村」のスタッフ=東京・日比谷公園=12月31日午後5時30分ごろ(中鉢久美子撮影)
仕事や住居を失った人たちを受け入れている「年越し派遣村」に集まった人たち=3日夕、東京・日比谷公園
国会議事堂までデモ行進を行うため、日比谷公園を出発する元派遣労働者ら=5日、午後0時15分 東京・日比谷公園(撮影・大西史朗)
宿泊場所となる日本青年館へ向かうバスに乗り込む「年越し派遣村」の村民=12日午前11時すぎ、東京都中央区小伝馬町
元派遣社員らの新たな一時受け入れ先が決まったのをうけ厚労省敷地内の講堂で行われた大移動集会。多くの元派遣社員らが集まった=5日、午前10時1分 東京・霞ヶ関(撮影・大西史朗)
日比谷公園の派遣村で失業者を励ます福島瑞穂社民党党首(左)。右は菅直人・民主党代表代行、中央は辻元清美・社民党議員(社民党提供)

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