最終更新: 2009/01/24 07:27

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京都・伏見稲荷(いなり)名物として約100年の歴史を持つ「スズメの焼き鳥」が危機迎える

全国に3万カ所あるという稲荷神社の総本宮がある京都・伏見区で、名物の「スズメ料理」がピンチになっている。
伏見稲荷(いなり)名物の「スズメの焼き鳥」は、およそ100年の歴史を持つという。
「稲福」の本城忠宏社長は「きょうは京都のスズメを。京都の猟師さんが、けさ持ってきていただいた」と話した。
「稲福」では、1羽の丸焼きが450円と少し高めの値段となっているが、立ち寄った参拝客にも「スズメの焼き鳥」は大人気となっている。
参拝客は「やっぱり歯ごたえがあって、うまいね!」と話した。
商売繁盛と五穀豊穣(ほうじょう)の神様である伏見稲荷大社で、なぜスズメが名物なのか。
稲穂をついばむスズメは天敵で、そのスズメを退治するという意味を込めて、スズメの焼き鳥を食べる風習が生まれたという。
しかし、スズメ料理を出す店が減ってきているという。
「スズメの焼き鳥」を販売している日野屋では「今は2軒だけですね。昔は6軒ほどありましたね。輸入のスズメが多かったんですけど、輸入がストップになりましたので、ほとんど入手ができなくなりましたね」と話した。
10年前、中国がスズメを含む野鳥の輸出を禁止した。
そのため、店側は冷凍の在庫か国産のスズメに頼らざるを得なくなったというが、ここにも問題が生じた。
本城社長は「国内産はやっぱり仕入れ値が高くなりまして、毛がついたままなので、毛を抜く手間賃もだいぶかかってますので」と話した。
また、最近ではスズメ猟を行う猟師も高齢化で少なくなっているという。
スズメ猟歴60年の宮本宗雄さんは、現状について「僕らが子どものころは、1羽毛を抜くだけで、小遣いがもらえるくらい、それくらい売れた。カラスとかの天敵が増えてきたし、20年前に比べたら、1割もいないんちゃうかな。(スズメ猟で食べていくのは)今では無理」と話した。
今では、スズメはなかなか手に入りづらくなっている。
スズメの焼き鳥を食べに来た参拝客は「だんだん(スズメ料理の)店がなくなってきているんで、どうしても食べておこうと思って...。やっぱり残していてほしいなと思いますけどね」と話した。

(01/21 18:33 関西テレビ)


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