2006年 04月 15日
(世界日報 06・4・11) ―ウォーツェル米中経済安保再検討委員長 http://www.worldtimes.co.jp/members/epaper/index.html 米軍基地やミサイル防衛、中国諜報活動の標的に 米議会の超党派の政策諮問機関である「米中経済安全保障再検討委員会」のラリー・ウォーツェル委員長はこのほど、世界日報社のインタビューに応じ、中国の情報機関は在日米軍基地やミサイル防衛、自衛隊、ハイテク技術関連の情報を収集するため、日本を諜報(ちょうほう)活動の標的にしていると指摘、日本はこれに対応するためスパイ防止法を制定すべきとの見解を示した。 ウォーツェル委員長は「日本にはスパイ防止法がないため、米国は日本と共有したくない情報や技術がある」と語り、スパイ防止法の未整備が日米間の緊密な協力関係を妨げる一因になっていると強調した。 中国・上海の日本総領事館員が中国情報当局から外交機密などの提供を要求され、自殺した事件については、「中国情報機関はセクシャル・エントラップメント(色仕掛け)を用いてくる。弱みがあれば、脅迫するためにそれを利用する」とし、女性問題に付け込んだ諜報活動は中国の常套(じょうとう)手段であるとの見方を示した。 米国内でも中国によるスパイ行為が活発化しており、昨年は米海軍の軍事技術情報を二十二年間、中国に流し続けていた中国系米国人らが逮捕、起訴される事件が発生した。ウォーツェル氏は陸軍時代に中国駐在武官を務めるなど、長年、中国の情報活動を研究・調査してきたが、「米国の安全保障にとって中国以上に広範囲かつ積極的な諜報活動の脅威はない」と強い警戒感を表明した。 中国の情報収集活動の特徴について、外国を訪問する大量の旅行者やビジネスマンに情報をかき集めさせる「人海戦術」だと指摘。また、中国当局が海外訪問者に「情報を集めてこなければ、お前の家族を逮捕する」などと脅して、スパイ行為を強要している実態を明らかにした。米国内には中国の偽装会社が約三千社あり、その多くが中国政府の指示でスパイ活動を行っていると指摘した。 スパイ行為で逮捕された中国人の中には、米国の市民権や永住権を取得しているケースも多い。ウォーツェル氏は「組織的に中国人を米国に送り込み、長期間滞在させるやり方は、中国情報機関の戦術だ」と語り、中国政府は情報収集のために、組織的な海外移住政策を実施している可能性があるとの認識を示した。 「米中経済安全保障再検討委員会」は、米議会上下両院の政策諮問機関として、二〇〇〇年十月に設置された。経済や安全保障、エネルギー、表現の自由など米中関係全般を調査・研究し、議会に対中政策を提言している。委員は十二人で、共和、民主両党から均等に指名される。 ■ ラリー・M・ウォーツェル 1970年、米陸軍入隊。88―90年、95―97年、中国駐在武官。大佐で退役。ハワイ大学で博士号取得。シンクタンク「ヘリテージ財団」アジア研究センター所長などを経て、米議会の諮問機関「米中経済安全保障再検討委員会」委員に。今年2月、同委員長に就任。 Tags:支那・スパイの活動
by sakura4987 | 2006-04-15 11:02 | ■スパイ事件・情報機能
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