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菅氏の都連会長・予算委理事就任は小沢代表の「降格人事」

週刊文春1月22日(木) 12時27分配信 / 国内 - 政治
 民主党が政権を取った暁には、小沢一郎代表からの首相「禅譲」に期待しているとされる菅直人代表代行。だが、昨年暮れから、小沢氏が菅氏にプレッシャーを掛け始めた。
 
 十二月、菅氏は党東京都連会長に無投票で選出された。「前任の円より子参院議員(党副代表)にリーダーシップがないので、菅氏の系列都議たちが担ぎ出した」(民主党議員)というのは表向きの話。本来は党代表まで務めた「大物」が就くポストではない。
 
「実際には都連の衆院選準備不足に業を煮やした小沢氏が、息のかかった円氏をわざと退かせ、“詰め腹”切らせる立場に菅氏を追い込んだ」(民主党幹部)のが真相だという。
 
 都内二十五小選挙区のうち、同党の公認候補が決まっているのは十九。確定していない選挙区が六つも残っているのだ。全国では八割が埋まっており、遅れは明らかだ。候補もおらず活動が低調なので、世論調査で都内の民主党支持は弱い。
 
 前回の衆院選で、都内の小選挙区で勝ったのは菅氏一人と、民主党はほぼ全滅した。
 
「それだけに、菅氏が責任を持って候補を立てなければならないのに、国会や地方視察など自分のパフォーマンスで忙しく、選挙対策は本気でやらずに来た」(同前)
 
 これだけ有利な状況で、首都で負けたら政権も危うい。菅氏の都連会長就任は、「東京は、おまえの責任だ」という小沢氏からの引導なのだ。
 
 さらに小沢氏は昨年暮れ、菅氏を衆院予算委員会の筆頭理事に指名した。「予算委は最大の攻防戦だから」(小沢氏)というのは、もちろん建て前。質問なら理事でなくても立てる。理事の仕事は裏方の取りまとめ役。通常は中堅議員が起用され、小沢氏側近の山岡賢次国対委員長の配下に置かれる露骨な「降格」だ。
 
「民主党は世論の反発を考え、〇九年度予算案の採決に応じざるを得ない。菅さんは、表で勇ましいこと言う国対委員長を支え、裏で与党と話をつける汚れ役を押し付けられた。小沢さんらしい嫌がらせだね」(前出・民主党幹部)
 
 二人はこれまでも首都圏の候補者擁立で、それぞれの系列候補を立てようと足の引っ張り合いを演じてきた。菅氏は小沢氏に対抗し、自分のグループを増やしている。小沢氏にとって菅氏は、「禅譲」どころか選挙後の政局で邪魔な存在なのだ。政権獲得後をにらんだ党内権力抗争は、すでに始まっている。
 
(週刊文春2009年1月29日号「THIS WEEK 政治」より)
 
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  • 最終更新:1月22日(木) 12時27分
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