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五月人形のお飾りの中でも特に至宝の芸術品として名高いのが檜兜飾りです。五月人形の歴史を遡っていくと、鎌倉・室町時代にみられた菖蒲兜と檜兜に行き着きます。これらは平安時代に宮廷の節会で用いられた菖蒲鬘が源流です。檜兜は削り掛け兜とも称され、檜の薄板で作られており、紅白の花と菖蒲の花で飾り付けられ、削り掛けのしころが施されています。「職人工房」有職司が史実考証に忠実に、伝統美の心技すべてを注ぎ、総手づくりで仕上げた至宝の限定品です。
たとえば「増鏡」の建長三年(1251年)の記述には次のように記されています。「五月五日、所々より御かぶとの花、くす玉など、いろいろにおほくまいれり」。また、他の史料には「女房たちに、しょうぶかぶとさせ、花ども…あやめのかつらかけば」とも述べられています。いずれも菖蒲兜についての記述です。さらに、江戸時代の「俳諧五節句」には「大かたの檜物細工なり。…いくつともなくぶらさげるにより、削りかけの甲いひ売りや」とあります。端午飾りの歴史を象徴する檜兜飾りは、まさに永遠のご家宝にかなうお飾りです。
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