【エルサレム=古谷祐伸】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が20日にパレスチナ自治区ガザに入り、イスラエル軍の攻撃を受けた複数の国連関連施設を訪れた。イスラエル軍とイスラム過激派ハマスの双方に自制を求めたうえで、国連関連施設への攻撃について適正な捜査を求める考えを示した。
ガザからの報道によると、ガザ北部のエレズ検問所から入った潘事務総長は、攻撃を受けた国連運営の学校や、国連パレスチナ難民救済事業機関の現地本部を視察。「非道で、到底受け入れられない。二度と起きないよう適切な司法制度のもとでの捜査が必要だ」と語った。続いて、ハマスのロケット弾攻撃のあったイスラエル南部のスデロトも訪れた。
一方、国連人道問題調整事務所は19日、がれきの下から新たに110以上の遺体が見つかり、パレスチナ人の犠牲者は計1314人になったと発表した。
イスラエル軍の撤退は、休戦状態に入って3日目の20日も続いている。軍放送は19日に「20日中の撤退完了」との情報を伝えたが、実際に完了するかどうかは不明だ。