【エルサレム高橋宗男】人口密集地での焼夷(しょうい)弾としての使用が国際法違反だと指摘されている「白リン弾」について、イスラエル軍は21日、パレスチナ自治区ガザ地区攻撃の際に使用したことを認めたうえで、使用方法が適正だったかどうか調査を始めると発表した。AP通信が伝えた。イスラエル紙ハーレツによると、20発が同地区北部ベイトラヒヤの市街地に撃ち込まれたかどうかが調査対象になる。
AP通信によると同軍は21日、「(使用したとの非難について)調査する」との声明を出したが、詳細は明らかにしていない。ロイター通信はイスラエル政府高官が白リン弾の調査担当に指名されたと報じた。同紙によると、イスラル軍はガザ攻撃で、迫撃砲によって撃ち込む白リン弾を約200発使用。うち約180発は軍事施設や果樹園などに煙幕を張るために使ったという。
イスラエル軍空挺(くうてい)部隊は、約20発をベイトラヒヤに向けて使用した際、敵の発砲が確認された地点に向けて撃ったと説明している。
ベイトラヒヤでは17日、同軍が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の運営する学校を砲撃、14人が負傷している。
毎日新聞 2009年1月22日 東京夕刊