08年中に県内で発生した振り込め詐欺の被害総額は4億3255万円で、前年比9298万円増と大幅に増加したことが、県警のまとめで分かった。被害件数も同14件増の338件だった。被害金額は06年(6億209万円)から07年(3億3957万円)にかけて大幅に減っていたが、再び被害が拡大したことになる。
08年に県警が認知した振り込め詐欺で、被害額が最も多かったのは家族などを装って金を振り込ませる「オレオレ詐欺」で2億822万円(112件)。以下、はがきや電話で架空の未納料金の支払いを求める「架空請求詐欺」8789万円(65件)▽融資話で保証金などを振り込ませる「融資保証詐欺」7361万円(102件)▽医療費などを還付すると称して預金を振り込ませる「還付金詐欺」6282万円(59件)--の順となった。
このうち件数・被害額の増加が目立ったのは、「オレオレ詐欺」(前年比41件増・7154万円増)と「還付金詐欺」(同40件増・3395万円増)だった。
月別にみると、被害認知件数で最も多かったのは、7月と12月の35件。取り締まり強化月間に指定された10月は、ATM(自動現金受払機)周辺に警官を動員するなど手厚い対策を取った結果、認知件数17件と、前月の32件から大幅に減少した。しかし11月には31件、再び認知件数が急増し、いたちごっこの様相を呈している。【松崎真理】
毎日新聞 2009年1月22日 地方版