【モスクワ大木俊治】ロシアの著名な人権派弁護士、スタニスラフ・マルケロフ氏(34)が19日、モスクワ中心部で頭を撃たれて殺害された。近くにいたリベラル系ロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」のアナスタシヤ・バブロワ記者(25)も頭に銃弾を受け死亡した。
マルケロフ氏は、チェチェン紛争時の00年にロシア軍元大佐に誘拐・殺害されたチェチェン人少女の遺族の弁護活動をしていた。チェチェン問題でプーチン政権を批判していた同紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者の殺害事件(06年)をほうふつさせるだけに、衝撃を広げている。
マルケロフ氏は19日、少女殺害で禁固10年の有罪判決を受け服役していた元大佐の仮釈放(15日)に抗議する記者会見を開いた直後に射殺された。同氏は他にも多くの人権擁護活動に携わっており、捜査当局が関連を調べている。
毎日新聞 2009年1月20日 21時22分