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オバマ大統領就任演説全文〈2〉(2/2ページ)

2009年1月21日9時22分

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 皮肉屋たちは、彼らの足元の地面が動いていることを知らない。つまり、これまで私たちを消耗させてきた陳腐な政争はもはや当てはまらない。私たちが今日問わなくてはならないことは、政府が大きすぎるか小さすぎるか、ではなく、それが機能するかどうかだ。まっとうな賃金の仕事や、支払い可能な医療・福祉、尊厳をもった隠退生活を各家庭が見つけられるよう政府が支援するのかどうかだ。答えがイエスならば、私たちは前に進もう。答えがノーならば、政策はそこで終わりだ。私たち公金を扱う者は、賢明に支出し、悪弊を改め、外から見える形で仕事をするという、説明責任を求められる。それによってようやく、政府と国民との不可欠な信頼関係を再建することができる。

 市場が良い力なのか悪い力なのかも、問われていることではない。富を生みだし、自由を広めるという市場の力は、比類なきものだ。しかし、今回の(経済)危機は、市場は注意深く見ていないと、制御不能になるおそれがあることを、私たちに思い起こさせた。また、富者を引き立てるだけでは、国は長く繁栄できない、ということも。私たちの経済的な成功は、国内総生産(GDP)の規模だけではなく、繁栄がどこまで到達するかに常に依存してきた、つまり、意欲のある人にどれだけ機会を広げられたかだ。慈善心からではなく、それが、私たちの共通の利益への最も確実な道筋であるからだ。

 国防について、私たちは、安全と理想の二者択一を拒絶する。米国の建国の父たちは、私たちが想像できないような危険に直面し、法の支配と人権を保障する憲章を起草した。これは、何世代もが血を流す犠牲を払って発展してきた。この理想はいまも世界を照らしているし、私たちは便宜のために、それを捨て去ることはない。大国の首都から、私の父が生まれた小さな村まで、今日、(式典を)見ている他国の人々や外国政府のみなさんに知ってほしい。米国は、将来の平和と尊厳を求めるすべての国家、男性、女性、子供の友人であり、再び主導する役割を果たす用意があることを。

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