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急募!!自治会長!!人口3人の集落が試み

 過疎が進み消滅の危機にひんしている京都府京丹後市の「限界集落」が、地域の存続・再生を担う“救世主”になってほしいとして、全国から「自治会長」を募集している。異例の試みに踏み切ったのは、現在わずか「1世帯、全人口3人」の丹後町畑(はた)地区。携帯電話が通じず上下水道もない、都会生活とはかけ離れた環境だが、山々の緑に囲まれ、海にも近く、静かで星が美しい「のどかな日本の原風景」が最大の魅力。すでに2組の応募があり、市では3月末までに適任者を決めたいという。

 京丹後市と畑地区の住民は昨年10月上旬から、「おーい 誰か自治会長をやってくれませんか?」というキャッチコピーを掲げ、市のサイト上などで同地区の新・自治会長(区長)の募集を開始した。定住しながら仕事ができ、双方かどちらかが30代の夫婦であることなどが応募資格。消滅の危機にひんしている集落の再生・活性化に取り組んでもらいたい意向で「そんな救世主の出現を期待しています」(同市)という。

 畑地区は京都府最北端の丹後半島に位置し、市によると、同地区に住んでいるのはわずか1世帯。現自治会長の岡本喜多男さん(74)と妻の岡本梢さん(68)、30代の息子の3人のみだ。喜多男さんは入院中のため、現在は梢さんが自治会長代行だ。梢さんは「腰掛けではなく、地域に根を下ろして暮らせる、熱意のある人に来てほしい。地域の再生に向けて一緒に頑張りたい」と話している。

 畑地区は約50年前は十数世帯、約50人が暮らしていたが、生活が不便なことや住民の高齢化などで過疎が進み、今や「限界集落」になった。実際、生活環境は都会とはまるで違い、市によると、同地区は携帯電話がほとんど通じず、上下水道がなく(川の水などを使用)、悪路で、畑を荒らす有害鳥獣が多く(サル、イノシシなど)、冬は積雪のため車を使えないこともあるという。

 しかし、山に囲まれ静かで、緑が多く、夜は真っ暗で星が美しいなど、古き良き、のどかな日本の原風景が広がる。日本海まで車で約5分だ。移住した場合、一軒家に月1万~2万円程度の家賃で住め、集落内の農地もほぼタダで借りることができるという。

 今回の自治会長募集は、総務省担当者の助言などから、過疎化に悩む市と地元住民、出身者らが最終的に決めたという。市によると、これまで50件以上の問い合わせがあり、2組の夫婦が正式に応募した。今後、さらなる応募者を待ち、最終的には市と地元住民が、応募資格に最もふさわしい夫婦を3月末ごろまでに決めたいという。市では「まず畑地区で成功例をつくり、その後はほかの限界集落の活性化にもつなげていければ」と意気込んでいる。

 [2009年1月18日8時44分 紙面から]


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