生活排水を分解・消毒する「浄化槽」の家庭への普及と、1級河川として九州ワースト(昨年度)の水質を記録した遠賀川の水環境を考える公開シンポジウムが18日、飯塚市飯塚のコスモスコモンであった。
シンポにはパネリストとして、自宅で浄化槽を使用する漫画家・エッセイストの赤星たみこさん▽町が設置主体となり、民間企業に浄化槽整備を委託するPFI方式を全国で初めて導入した香春町の加治忠一町長▽昨年1月に「遠賀川流域リーダーサミット」を主催した特定非営利活動法人(NPO法人)「遠賀川流域住民の会」の窪山邦彦理事長の3人が出席。地元住民たち約120人が聞き入った。
赤星さんは「日本が誇る発明品の浄化槽を世界に発信するべき」と主張。2004年の導入以来、約1000基を設置した加治町長は「水質が悪かった遠賀川水系の金辺川でサケの遡上(そじょう)が確認できるようになった」と報告し、「行政のトップが整備に関心を持ち、住民に訴えていくことが重要」と話した。
窪山理事長は「遠賀川を汚すのはわれわれの生活排水。浄化槽設置は1つの手段」とし、「流域の22市町村で遠賀川浄化に向けた条例を制定しては」と提案した。コーディネーターは日本環境整備教育センター参与の大森英昭氏が務めた。
=2009/01/19付 西日本新聞朝刊=