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イスラエルが「停戦」宣言 ハマスも条件つきで

2009年1月18日23時21分

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図拡大ガザ攻撃以来の被害

 【エルサレム=井上道夫】イスラエルのオルメルト暫定首相は17日夜、イスラム過激派ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザへの攻撃を18日午前2時(日本時間18日午前9時)から停止すると発表し、実行した。ハマスも18日午後、条件付きで即時停戦入りを発表。ガザからの1週間以内のイスラエル軍撤退と、ガザ封鎖の解除をイスラエル側に求めている。

 だがイスラエル側は先に、軍はガザに残り、ハマスから攻撃を受ければ攻撃を再開する方針を明らかにしている。軍撤退の日程もガザからのロケット弾攻撃が完全に止まるまで「考慮しない」立場だ。

 昨年12月27日のイスラエル軍による攻撃開始以来、23日間のパレスチナ側の死者は1300人、負傷者は5300人。停戦に向けた国際的な圧力が高まるなか、その実現に向けた重大な局面に入っており、イスラエル、ハマス双方の駆け引きが続きそうだ。

 17日深夜に演説したオルメルト氏は、攻撃による武器密輸トンネル破壊やハマス幹部の殺害で、ハマスの統治力や軍事力に大きな打撃を与えたとし、「我々は目標を達成した」と強調。また、ハマスの再武装化を阻止するため、エジプトとの境界管理で米国や欧州などの支援を取り付けたことに触れ、攻撃停止が妥当であると説明した。

 だが、攻撃停止はイスラエルの一方的な「停戦」宣言で、エジプトが仲介に乗り出していた停戦協議とは別物。イスラエルの存在を認めないハマスを政治的交渉の相手にしたくないのが本音で、ハマスとの何らかの合意があったわけでもない。

 ハマスなどパレスチナ各派はイスラエルの攻撃停止直後の18日昼過ぎまでに、10発以上のロケット弾をイスラエル側に発射。イスラエル軍も発射拠点への空爆で応じた。だが、18日昼の段階では限定的な攻撃にとどめている。

 ハマスが攻撃を続ければ、イスラエル軍の攻撃が「報復」として正当化される可能性があった。停戦に応じる形をとったのは、イスラエルの攻撃がハマスの想像を超える激しさだったため、との見方もある。

 ハマスの政治部門幹部マルズーク氏は、停戦を発表した18日のテレビ演説で「ガザ市民に人道支援や生活に必要な物資が届くように、イスラエルはすべての境界検問所を開けるべきだ」と、ガザ封鎖の解除を訴えた。

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