【カイロ澤田克己】「(1回目の攻撃の後に)イスラエル軍は『二度と攻撃しない』と約束したのに、再び攻撃があった」。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)ガザ事務所のジョン・ギング所長は16日、同事務所が15日繰り返しイスラエル軍の攻撃を受けたことについて、強い調子でイスラエルを批判した。
しかし17日には、住民の避難所となっているUNRWA運営の学校が、6日に続きまたも攻撃を受けた。停戦の方向性を打ち出しながら、一方で国連関連施設への攻撃を続けるイスラエルに対し、現地の国際機関関係者は不信感を強めている。
国連欧州本部と結んだ電話会見でギング所長は、UNRWA事務所への2回目の砲撃では、数万リットルの燃料を満載したトラック5台が駐車する場所に着弾したと明らかにした。幸い引火、爆発はなかったが、イスラエル軍には、この場所は特に危険だから注意するよう伝えてあったという。
イスラエルは「事務所内からの攻撃に反撃した」と発表したが、ギング所長は「事務所内からの攻撃などなかった」と断言。「我々に対しては、イスラエル国防省も、攻撃がなかったことを認めた」と反論した。
世界保健機関現地事務所のトニー・ローレンス代表代行も、ガザ市内の赤新月社病院が15日夜にイスラエル軍兵士に包囲され、事務棟などが攻撃されたと話し、医療機関への攻撃を非難した。
毎日新聞 2009年1月18日 東京朝刊