【ニューヨーク=松下佳世】パレスチナ自治区ガザの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の現地本部がイスラエル軍によって砲撃されたことを受け、国連は15日、「非人道兵器」と非難されている「白リン弾」が使われたとの見方を改めて表明した。イスラエル側が砲撃の理由として主張している「国連敷地内からの攻撃」については全面的に否定した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のホームズ事務次長は会見で、現地本部に対する攻撃は2回あり、人体に触れると高温で燃え続ける「白リン弾」が使われたと強調。イスラエル軍に対しても再三注意を呼びかけていた中での本部への攻撃に「愕然(がくぜん)としている」と語った。
テレビ電話でガザから会見したUNRWAのギング現地代表も砲弾について「見た目もにおいも、燃え方も白リン弾だった」と断言。「砲撃の最中にもイスラエル側と連絡を取り合っていたが、敷地内から攻撃を受けているとの指摘は一度もなかった」とイスラエル側の主張に反論した。