15日、イスラエル軍の攻撃を受け黒煙があがるパレスチナ自治区ガザ市街=AP
ガザ市で15日、イスラエル軍の砲撃で燃えた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)現地本部の消火活動にあたる職員ら=AP
【エルサレム=井田香奈子】パレスチナ自治区のガザ市で15日午前11時すぎ、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の現地本部がイスラエル軍の砲撃を受け、建物2棟で火災が発生、職員3人が負傷した。外国報道機関が入ったビルや病院も攻撃を受け、負傷者が出ている。
UNRWAの報道官によると、白リン弾とみられる砲弾が少なくとも3発、敷地内を直撃。食料や医薬品、毛布などの援助物資を保管する倉庫などが火事になった。敷地内には、市民約700人も避難していた。
UNRWAは封鎖されたガザの住民への物資供給など援助活動の中核を担っているが、攻撃を受けて活動を一時停止した。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は15日、イスラエル入りし、オルメルト暫定首相らと会談。バラク国防相に対しては「強い抗議と怒り」を伝え、調査を求めた。AFP通信によると、バラク氏は「重大な誤りだった」と謝罪したが、オルメルト氏は潘氏に対し「ハマスが国連の敷地内から攻撃したから砲撃した」と説明、攻撃を正当化した。
潘氏はリブニ外相に国連安保理決議をふまえ即時停戦を求めたが、リブニ氏は「いつ、どのように大規模な攻撃を停止するかは我々が決める」と述べるにとどまった。