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逆風の中、次々新ビル完成 過剰供給必至バブル並みの量(1/2ページ)

2009年1月14日

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地図   グラフ   写真6月の完成に向け建設が進む「マルイト難波ビル」。オフィスの契約交渉が難航している=大阪市浪速区

 金融危機のあおりで景気が冷え込む大阪市内で、ビル建設工事は活発だ。好況だった04〜05年に計画されたオフィスビルが次々に完成するためで、09年はバブル期並みの面積が新たに供給される見込み。既存ビルにも空室が目立つ中、オフィスが大量に余る「09年問題」を懸念する声も上がっている。(上栗崇)

 JR難波駅前で建設が進む31階建ての超高層ビル。オフィスやホテルが入る。6月完成の予定だが、オフィスの大部分は入居企業が決まっていない。開発会社マルイト(大阪市)の担当者は「昨年秋のリーマン・ショック後、企業との交渉がぴたっと止まってしまった」と頭を抱える。

 ビル仲介大手の三鬼商事によると、09年に大阪中心部で完成するオフィスビル(延べ床面積1千坪以上)は前年の約2倍の21棟。床面積は約13万坪(43万平方メートル)で、年間の供給が10万坪を超えるのはバブル直後の93年以来だ。

 大型オフィスビルは計画から完成までに4〜5年かかる。ITバブル崩壊後の02〜03年に10%を超えた大阪のオフィス空室率はその後、急激に改善。オフィスの需要が増え始めた時期に当たる04〜05年には新しいビルが次々と計画された。それが今年、一斉に完成する。

 新ビルラッシュに、100年に一度といわれる経済危機が重なる最悪のタイミング。業界では「大量にオフィスが余れば、既存ビルを含めビルの賃料が下落する。関西全体の不動産業界全体が打撃を受け、街づくりが停滞してしまう」(市内の不動産業者)との声が出る。

 供給過剰の兆候はすでに表れている。大手不動産会社が昨年11月に新大阪で完成させたビルは、入居を検討していた企業が軒並み予定を変更、丸ごと空室のまま年を越した。営業担当者は「需要が落ち込み、極端な借り手市場になりつつある。梅田や中之島など都心の大規模ビル以外はきわめて厳しい状況」という。

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